九州北部・中国は土砂災害や河川の氾濫に厳重警戒 今夜は太平洋側でも大雨のおそれ

 西~東日本に停滞する前線の影響で14日(土)朝は福岡県、佐賀県、長崎県で線状降水帯が発生するなど、西日本では記録的な大雨となっている。土砂災害や河川の増水・氾濫、低地の浸水などに厳重な警戒が必要だ。
 14日(土)夜~15日(日)は近畿や東海でも災害につながるような大雨となるおそれがある。

九州北部・中国で記録的大雨

 大陸からの暖湿気に太平洋高気圧をまわる暖湿気が合流する状態が続いたことで、特に九州北部から中国で記録的な大雨となっている。
 きょう14日(土)午前10時までの72時間雨量は嬉野(佐賀)で912ミリに達したほか、九州北部・中国を中心に500ミリ前後となっている。
 佐賀の72時間雨量は760ミリと、平年8月の1か月分の雨量の約3倍の雨量となっていて、佐賀県内では六角川に警戒レベル5に相当する氾濫発生情報が発表されている(午前10時40分時点)

福岡県、佐賀県、長崎県に大雨特別警報

 14日(土)午前11時現在、福岡県、佐賀県、長崎県に警戒レベル5に相当する大雨特別警報が発表されているほか、広島県でも土砂災害の危険性が非常に高くなっている。
 きょう午後も激しい雨が続き、再び線状降水帯が発生するおそれもあり、土砂災害や河川の増水・氾濫、低地の浸水に厳重に警戒。周囲の災害のリスクをキキクル(危険度分布)で確認し、自治体が発表する情報に基づいて身の安全を確保に努めたい。
 既に記録的な雨量となっていることから、短時間強雨に警戒するだけでなく、雨が弱まったとしてもがけ崩れや河川の増水に警戒を続ける必要がある。

西~東日本も大雨に警戒を

 前線による雨雲は九州南部から東北まで広がっていて、近畿でも非常に激しい雨を観測している。
 14日(土)夕方にかけては同じような場所で激しい雨が続く見込みだが、今夜から15日(日)朝にかけては強い雨の範囲がやや南下する予想。
 今夜は西~東日本の太平洋側を中心に激しい雨が降り、所によって非常に激しく降る見込み。特に近畿や東海・甲信地方で雨量がかなり多くなるおそれがあり、四国や九州南部でも雨脚が強まる可能性がある。夜間に大雨となるため、土砂災害や河川の増水に警戒し、今夜の休息を取る場所の安全確保に努めたい。

(気象予報士・佐藤俊和)

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