熱中症予防「移動スーパー」で訴え 平塚で官民協力、高齢者に直接注意を呼び掛け

熱中症警戒アラートの発令を知らせるマグネットポスターを貼り付けて注意喚起する移動販売車=平塚市(同市提供)

 神奈川県平塚市と製薬大手「大塚製薬」、スーパーを展開する「しまむら」の3者が中心となって、移動販売車を活用した熱中症予防の啓発活動を同市内で行っている。県内で熱中症警戒アラートが発令された際、移動販売車のドライバーが利用者にリーフレットや飲料水を配布する。市健康課は「高齢者に直接注意喚起できる」と期待する。

 市と大塚製薬横浜支店は昨年、健康増進に関する連携協定を締結。熱中症による救急搬送者の大半が高齢者で、利用者層が重なる移動販売に着目した同支店は、市としまむら、移動販売事業者と協力して今回の啓発活動を2日から始めた。

 同アラートが発令されると、移動販売車4台に注意喚起するマグネットポスターを貼り市内を回る。販売先では、ドライバーがリーフレットなどを利用者に配布し、熱中症リスクを伝えた上で水分補給を促す。

 同課は「ホームページなどで注意喚起しているが、高齢者には伝わりにくい。地域住民と関係を築いている移動販売を通じて届くようになる」と歓迎。同支店の担当者は「暑さの危険性や水分補給の大切さを知ってもらい、予防の意識が高まれば」と話している。

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