九州北部や中国では記録的大雨となっていて、降り始めからの雨量が1000ミリに達した所もある。あす15日(日)午前にかけてさらに雨量が増える予想で、河川の氾濫や土砂災害などに厳重な警戒が必要だ。
また、東海など東・北日本でも土砂災害の危険性が高まっている所があり、これからあす15日(日)日中にかけては広い範囲で大雨に警戒が必要となる。
過去に例のない大雨
九州北部や中国では同じような場所で激しい雨が続いていて、佐賀県や福岡県筑後地方、長崎県・広島県の一部など多くの地点で72時間雨量が過去最大を更新した。嬉野(佐賀)では降り始めからの雨量が1000ミリに達している。
これからあす15日(日)朝にかけても非常に激しい雨が降るおそれがあり、線状降水帯が発生しやすい状況が続く見通しだ。土砂災害・河川の増水や氾濫・低地の浸水に厳重警戒。
夜間の移動は危険を伴うため明るいうちに避難したり、すでに避難が難しい場合は家の中で山の斜面から離れた2階以上の場所に移動するなど、命を守る行動を取る必要がある。
14日(土)午後4時30分現在、広島県・福岡県・佐賀県・長崎県に警戒レベル5に相当する大雨特別警報が発表されている。
特別警報が出ていない地域でも大雨警戒
前線の雨は近畿~東北にも広がっていて、岐阜県や長野県でも土砂災害や河川の増水の危険性が高くなっている所がある。今後、雨の範囲がやや南下する見込みで、これからあす15日(日)日中にかけては西~東日本の太平洋側や福島県でも雨が激しく降るおそれがある。
15日(日)午後6時までの24時間雨量は多い所で、東海300ミリ、関東甲信250ミリなど、災害につながるような大雨が予想されている。土砂災害や河川の増水・氾濫、低地の浸水に警戒が必要だ。
また九州南部や高知県、紀伊半島など南西向きの斜面を持つ地形の場所では、局地的に雨量が多くなる可能性がある。
来週にかけて雨が続く、雨が弱まっても警戒継続を
この先も来週中ごろにかけて本州付近に前線が停滞し、西日本から東日本・東北では雨の降りやすい状態が続く予想。
雨の降り方には多少の強弱があり雨のやむ時間帯もある見込みだが、すでに記録的な雨量となっていることから、引き続き警戒が必要だ。
崩れやすい山の斜面や川には近づかず、常に最新の気象情報・避難情報を確認するよう努めたい。
(気象予報士・佐藤俊和)