初代タイガーマスク(63=佐山聡)が1981年4月に鮮烈なデビューを果たしてから今年で40周年。これを記念したポップアップショップが東京・新宿の「ビームス・ジャパン」で18日まで開催されている。本紙はショップに姿を見せた初代タイガーに、インタビューを敢行。第1回のテーマはダイナマイト・キッドとジャーマンスープレックス(原爆固め)だ。
【初代タイガーマスク・特別インタビュー(1)】
――デビューから40周年を迎えました
初代虎 自分にとってはわずか3年弱のタイガーマスクだったんですけど、それを40年間思ってくれているファンが世界中にいるというのが、ありがたいというか、大切にしなくてはいけないなと思います。
――当時振り返ってどんな3年間でしたか
初代虎 激しかったですね。見ている以上にこちらも一生懸命やっていましたから。余裕なんてないです。必死です。相手もすごかったので。
――ライバルの1人であるダイナマイト・キッドとは、デビュー戦で初めて対峙しました
初代虎 そうですね。リングインする時にお客さんにヤジられたんで、早くイギリスに帰りたかったんです。
――デビュー直前に「サミー・リー」のリングネームで活躍し、人気を博していたイギリスに
初代虎 それでゴングが鳴って戦いに入って、ダイナマイトと組みますよね。殴られますよね。えらい迫力だった。初めてでした。あのスピードの選手は。その印象があります。
――戦っていくうちに観客の反応が変わっていくのは感じましたか
初代虎 イギリスではちょっとやるだけでお客さんが総立ちになったんですが、日本ではそうならなくて。後でわかったんですが、それは見入ってくれていたからだったんです。でも、当時の僕からしたら試合中、そういうイギリスの試合の時みたいな「お客さんからの迫力」は感じなかったんで「普通の試合なのかな?」と思ったんです。ダイナマイトがすごいので、その動きについていくのが必死でした。
――試合を自己採点すると何点ですか
初代虎 試合中は50点。試合終わった後は95点くらいですね。それだけ(試合中、お客さんの反応が)分からなかったです。ダイナマイトの動きがあまりにすごいんで、ビックリしていたっていうのもあります。控え室に帰って、新聞記者さんたちに囲まれて「すごかった」って言われた瞬間に「ああ、すごかったんだ」って自分で分かりました。
――ダイナマイト・キッドとはどんな存在ですか
初代虎 タイガーマスクでも、サミー・リーでもサトル・サヤマでもずっとやっていましたけども、それをさらに成長させてくれる人間でしたね。
――この試合でも披露した原爆固めですが、そのアーチの美しさもタイガーマスクの象徴でした
初代虎 先生であるカール・ゴッチから徹底的に教わっていたので、それが出たんじゃないかなと。よく「タイガーマスクとは何ですか」と聞かれますけど、17~20歳くらいまで新日本プロレスの若手だった時の訓練がタイガーマスクなんだと思います。
――ゴッチさんから教わった原爆固めのポイントとは
初代虎 たくさんあります。一番は、腰の下の方に抱き着くこと。足腰とか、柔らかさとかを大切にする人でした。あとはウエートトレーニングは一切やらせてもらえなかった。タイガーマスクの時もウエートトレーニングはやっていないです。体が硬くなるからということでしたね。
――その柔らかさが原爆固めに生きたと
初代虎 すべてにですね。僕は(柔軟性は)大切だと思います。