新車の「カローラクロス」購入予算200万円台で、3年落ちの質実剛健輸入SUV「フォルクスワーゲン ティグアン」という選択肢はいかが!?【どっちが買い!?】

トヨタのSUV攻勢が止まらない。もはや全セグメントにSUVを用意する勢いだ。そして次にスタンバイするのは、2021年夏発売と言われる「カローラクロス」。価格は現段階では不明だが、おそらく売れ筋グレードで300万円前後だと言われている。その予算なら、フォルクスワーゲンの人気SUV「ティグアン」3年落ち以内の中古車も狙えるのだ…あなたならどっちを選ぶ!?

フォルクスワーゲン ティグアン vs トヨタ 新型カローラクロス

2021年夏、トヨタ カローラシリーズにSUVが新参入する!

トヨタ カローラクロス(2021年9月発売予定・写真は先行発表されたタイ仕様)

トヨタ カローラクロスは、その名の通りカローラファミリーの一員として2021年9月にも登場すると言われている。カローラのステーションワゴン「ツーリング」をSUV風にデコレーションしたモデルではなく、新設計・新デザインのボディを持つ意欲作である。

トヨタのSUVラインナップは、小さい方からライズ、ヤリスクロス、C-HR、RAV4、ハリアー……と続く。カローラクロスは大きさ的にC-HRに近いが、C-HRはデザインコンシャスなクーペルックで荷室が狭い、という欠点がある。

そのため、古典的なステーションワゴンのスタイルも感じさせるベーシックなデザインのカローラクロスは、ちょうどいいボディサイズも含め、ヤリスクロス同様に台風の目になる可能性が高い。しかも価格は220万円〜315万円ほどで、売れ筋グレードは300万円以内に収まるだろうと予想される。これまた絶妙な価格設定だ。

300万円の予算を中古車に投じたら、他にもあんなクルマやこんなクルマだって買えちゃうのだ!

フォルクスワーゲンの人気SUV「ティグアン」だって射程圏内だ!

とはいえ、約300万円もするのか……と思う人も多いことだろう。300万円あれば、中古車ならあんなクルマもこんなクルマも買えてしまうからだ。

そこで今回の「どっち買う!?」では、車格的・サイズ的にほぼ同じクラスとなるSUV「フォルクスワーゲン ティグアン」をオススメしよう。ゴルフ譲りの高品質を誇るSUVだ。

……あなたならどっちを選ぶ!?

ゴルフと同クラスのプレミアムコンパクトSUV「フォルクスワーゲン ティグアン」

写真は2代目「ティグアン TDI 4MOTION ハイライン」[4WD](2018年モデル)

近年、エントリークラスの「Tロック」や、クーペ的なルーフを持つスタイリッシュな「Tクロス」などのSUVを続々と送り出しているフォルクスワーゲン。同社最初のSUVは、「ポルシェ カイエン」を兄弟に持つ大型SUV「トゥアレグ」で、続いて2007年に発表されたのがティグアンだった。ゴルフのプラットフォームやコンポーネントを活用して生まれたSUVである。全長は4.4m台で、当時販売していた5代目ゴルフの約4.2mより少々大きいが、基本的にはゴルフの属する「Cセグメント」の車種となる。

現行型となる2代目は、2015年に本国で公開、日本では2017年から販売をスタートした。登場時のラインナップは、「TSI コンフォートライン」「TSI ハイライン」「TSI Rライン」の3グレードだった。2018年には待望のディーゼル&4WD版「TDI」を追加。2021年5月に大掛かりなマイナーチェンジを受け、最新のフォルクスワーゲンファミリーフェイスを得ている。

3年落ち・走行3万キロ以内・350万円以内なら多数のティグアンがヒット

現行型(2017年式モデル)ティグアンも、いつものように「3年落ち・走行3万キロ以内」で中古車を検索してみよう。

参考までに、2018年8月時点での新車販売価格は、

TSI コンフォートライン 363.6万円

TDI 4MOTION コンフォートライン 408.6万円

TSI ハイライン 449万円

TDI 4MOTION ハイライン 494万円

TSI Rライン 479万円

TDI 4MOTION Rライン 524万円

だった。

走行距離3万キロ以内、2018年式までの「フォルクスワーゲン ティグアン(2017年式モデル)」の中古車を検索!

▼中古車検索条件▼

・メーカー車名:フォルクスワーゲン ティグアン(2017年式モデル)

・モデル:2018年1月~

・年式:平成30(2018)年~令和3(2021)年

・走行距離:~最大3万キロまで

・価格帯:200万円台

・修復歴:なし

(2021年8月9日現在 MOTA調べ)

新車価格約500万円のディーゼル・4WDモデルも、カローラクロスの予算で購入可能!?

検索を行ったところ、3年落ち・走行3万キロ以内・300万円台で約18台のフォルクスワーゲン ティグアン(2017年式モデル)が表示された(2021年8月9日現在 MOTA調べ)。

この18台を見てみると、ガソリンエンジンの中間グレード「TSI ハイライン」が12台、エントリーグレードの「TSI コンフォートライン」は4台、そして残りはディーゼルのTDIでハイラインとコンフォートラインが1台ずつ、という布陣だった。最安値は235万円である。

高速走行時の燃費が特に良いTDI(クリーンディーゼル)搭載車はロングドライブ派にオススメだ

燃費が良くパワフルさが売りのTDIは、先にも示した通り、売れ筋のハイラインが約500万円という価格で、決して安価とは言い難いが、300万円以内でもギリギリ範囲に入ってきていることがわかる。

なお、カローラクロスの新車販売価格予測値は前述の通り220〜315万なので、検索条件を少し緩和して350万円までに変更すると、一気に約69台まで対象が増加する。この価格になると、極低走行のTSIコンフォートラインや、スポーティなTSI Rライン、プレミアサウンドシステムを搭載した限定車「ディナウディオ」が射程内に入り、TDIハイラインも17台がヒットする。

カッチリとした高品質……ゴルフ譲りの質実剛健さに漂う「いいクルマ買った!」感

ズバリ、ティグアンはフォルクスワーゲンのSUVとしては「決定版」ともいえる車種である。というのも、Tクロスはエントリーカーのためボディサイズが小さく、内装は少々プラスチッキー、スタイリッシュなTロックは積載性を多少犠牲にしており内装が派手め、トゥアレグでは大きすぎるのだ。しかもティグアンは、見るからに品質の良さがわかるようなカッチリした印象の内装やエクステリアを誇る。これらは7代目ゴルフの美点を譲り受けたもの。室内も広く、デザインにも余計な遊びがない。手堅い設計なのだ。フォルクスワーゲンといえば質実剛健な実用車、という言葉が思い浮かぶが、ティグアンはまさにそのイメージにぴったりである。

筆者の遠藤 イヅル氏とVW ティグアン TDI

快適装備、安全装備も十分に備わり、TDIの力強さは病みつきになる痛快さで、4WDによる悪路走破性や安心感も高い。高品質は7代目ゴルフでお墨付き。乗ると「いいクルマ買ったなあ」と思うこと間違いなしだ。

そんなティグアンが3年落ちで150万円以上も価格が下がっているとなれば……ティグアンというチョイスもアリ、と言えるのではないだろうか。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:小林 岳夫・和田 清志・フォルクスワーゲングループジャパン・TOYOTA]

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