横浜市民が刻んだ戦後激動期 中央図書館で展示会

市民の日記なども並ぶ展示会「戦後横浜─それぞれの出発」=横浜市中央図書館

 1945年を中心に横浜の戦後の始まりを考える展示会「戦後横浜─それぞれの出発」が、横浜市中央図書館(同市西区)で開かれている。日記などを通して市民一人一人の視点から当時の様子を紹介。空襲の被災から敗戦を経て、連合国軍による占領と接収が始まった激動期の実相を浮き彫りにする。

 第1部は▽空襲とその後▽8月15日の敗戦の日▽戦後の数年間─に分けて人々の姿を解説。敗戦を冷静に受け止めたり、反発や悲嘆したりといったさまざまな反応や、戦後の混乱期に苦労を重ねながら生活を再建していった様子を伝える。

 第2部では、敗戦によって当初は目標を失いつつもやがて価値観を転換していった若者や、戦後の変化に戸惑いながら自らの生き方を模索した女性、復員兵士の歩みに焦点を当てる。

 第3部は戦後の暮らしぶりや街並み、外国人らが見た戦後の横浜を紹介する。

 市史資料室の羽田博昭調査研究員は「横浜は空襲による被災、敗戦後の接収という大きな転機に2度も直面した。市民の歩みは一様でなく、市民が残した日記や復員兵士の記録を基に、一人一人の歩みから戦後横浜の始まりを探った」と話す。同室の主催で9月23日まで。入場無料。

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 関連講座「戦中・戦後の日記を読む」が9月11日、市中央図書館で開かれる。講師は羽田調査研究員。事前予約制で8月31日締め切り。参加無料。申し込み方法など問い合わせは、市史資料室電話045(251)3260。

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