小椋藍「Moto2初表彰台はとても嬉しい。今日は良かったけど満足ではない」/MotoGP第11戦オーストリアGP

 8月15日、オーストリアのレッドブル・リンクで行われた2021年MotoGP第11戦オーストリアGP Moto2クラスの予選で小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)は3番手グリッドからスタートして2位表彰台を獲得した。

 今シーズンからMoto2クラスに昇格した小椋は、1週前に同地で行われた第10戦スティリアGPで予選2番手となりMoto2クラスで初のフロントロウを獲得。決勝レースでは上位をキープして、終盤は2番手まで追い上げたものの、ロングラップペナルティが科され、ポジションを落として5位でフィニッシュした。

 その小椋は、レッドブル・リンクでの2戦目となる第11戦オーストリアGPでは、初日にMoto2で初の総合トップタイムをマーク。土曜日の予選では、ダイレクトでQ2に進出すると3番手タイムを記録して2週連続でフロントロウを獲得した。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2021MotoGP第11戦オーストリアGP

 予選後には「目標はもちろん表彰台に登ること」に定めて日曜日の午前に行われたウォームアップ走行で2番手タイムを記録した。

 そして、25周のレースでは、小椋は好スタートを決めて3番手をキープ。前方のサム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)とラウル・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)を追う展開となった。

 5周目には3コーナーでロウズをかわすと2番手に浮上。その後はフェルナンデスの後ろにつけて周回を重ねる。

ラウル・フェルナンデスを追う小椋藍/2021MotoGP第11戦オーストリアGP

 小椋は、終盤にセクターベストタイムを更新するが、フェルナデスも更新。常にトップから1秒以内の場所を走っていくが、一歩届かず2位でフィニッシュ。しかし、小椋にとってはMoto2クラス初表彰台獲得となった。

 次は、富沢祥也、高橋裕紀、中上貴晶、長島哲太に続く日本人5人目のMoto2クラス勝者を目指す。

■小椋藍 決勝結果:2位
「自分にとって、Moto2での初めての表彰台だったので、とても嬉しいです。今年、チームは僕のために多くの力を注いでくれていたので、今日、結果で返せたことはとても良かったです。レースはとてもタフでした」

「ラウル選手が、レースの序盤からプッシュしたことで、僕は何度も限界に達しました。ある瞬間、彼を捉えるオプションを見つけたと思ったのですが、彼は残り5ラップで特別な走りを見せ、僕は追い抜くことが無理であると思いました」

「今日は良かったと思いますが、満足ではありません。これからも継続して作業を続けて行きます」

Moto2初の表彰台を獲得した小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2021MotoGP第11戦オーストリアGP

■青山博一 チーム監督
「チームとして、もう一歩踏み出しました。両ライダー共に、スタートからの飛び出しも良く、小椋選手はトップを争い、チャントラ選手も5位争いを展開しました。彼らが安定してレースを戦っていたこともあり、レースの間、何も心配していませんでした」

「先週、今週と継続してパフォーマンスを示せたこともあり、最終的に小椋選手は2位、チャントラ選手は5位という結果を得ることが出来ました。ひとつのチームのふたりのライダーが同時にトップ5に入るということは容易ではありません。私はそれについて満足しています」

「ここに至るまで長い時間を過ごしてきましたが、今日ここで形になってきました。そして、我々が何を成し遂げようとしているのかを示せました。チームのスタッフ達、ライダー達、そしてこのプロジェクトを支えて下さっている関係者の皆さんに心から感謝致します」

Moto2初の表彰台を獲得した小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2021MotoGP第11戦オーストリアGP

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