特殊冷凍、無人販売機、Instagramで発信…増加する食品ロス削減サービス

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。7月29日(木)放送の「フラトピ!」では、注目の“食品ロス削減サービス”を紹介しました。

◆年間600万トンの食品ロスを減らすさまざまな試み

日本における食品ロスの量は年間およそ600万トン。かねてから問題視されていましたが、どうすればそれらを廃棄せず、うまく活用できるのか。多くの人が熟考するなか、この現状を改善するための新たな取り組みが行われています。

まずは、傷が付いてしまった、形が悪いなどの理由で商品化できなくなったフルーツを引き取り、それらを冷凍加工することで食品ロスを減らしているデイブレイク株式会社。そこでは売り物にならなくなったフルーツを、特殊な技術で冷凍し企業などに販売。

それはスイーツや料理などに加工され、新たな商品として生まれ変わります。

実際、冷凍された桃を試食したキャスターの田中陽南は、「しっかり固まっているというよりは、生の桃がそのまま柔らかくシャーベットになったような感覚。フワッと桃の甘い香りが広がる」と顔を綻ばせます。

この冷凍技術は、-30℃という超低温に保たれた冷凍庫で360°から食材を包み込みように風を当てることでムラなく凍らせることができ、香りもしっかり閉じ込めます。そして、痛みやすい食材も約1年間の長期保存が可能に。現在、一般向けにはスムージーのセットなどが販売されています。

続いてのサービスは、みなとく株式会社による「無人販売機」。そこで販売されているのは、チョコレートやコーヒーなどで、これらは全て製造から一定期間が経過し、場合によっては破棄される可能性のある商品。注目すべきはその価格で、2割引の商品や、なかには半額になっている商品も。

この無人販売機は現在、全国に5ヵ所あり、都内は「ネスカフェ原宿」と「新宿郵便局」に設置。購入方法は、購入したい場所と商品を選んで決済が完了すると、スマホに番号が届きます。それを無人販売機に入力すればいつでも好きなときに商品を受け取ることが可能です。

◆Z世代も食品ロス削減、インスタで新サービス開始

さまざまな取り組みが行われているなか、Z世代による注目の新サービスも。それは、早稲田大学の小泉勇輔さんが今年2月にInstagramで立ち上げた「高円寺フードロスゼロ」というサービス。

そこに加盟する高円寺の店舗が、ロス寸前の食材やおすすめの商品を割引価格でInstagramに投稿することで、ユーザーに情報を共有できるというシステムです。

小泉さんがこのサービスを始めたきっかけは、アルバイト先の店舗で毎日のように売れ残りが出ていたこと。さらには、コロナ禍における大学生の問題も。小泉さんは、「コロナ禍で大学生のなかにはバイトがなくなってしまい、収入が激減した人もいる。彼らは食事に困っていたりするので、そこで両者をマッチングできないかと思い、このプロジェクトを始めた。高円寺も好きになり、フードロスも減らしていけるような取り組みになれれば」と展望を語ります。

キャスターの堀潤は、これらの取り組みに対し「いいですね~!」と高く評価。

政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんも「テクノロジーでいろいろと良くなっていくのはいいこと」と言います。

また、ビジュアルフードクリエイターの白井ありささんも「素晴らしい活動」と絶賛し、「飽食の時代だからこそ食を大切にしてほしい」と訴えます。

食品ロス削減サービスはこの他にもあり、「WakeAi」というサイトでは廃棄寸前の商品を割引価格で販売。しかも、その料金の一部は社会貢献団体に寄付しているため、食品ロスの削減だけでなくSDGs(持続可能な開発目標)にも繋がります。

なお、そこではコロナ禍で取引がキャンセルになった「霜降り極上カルビ500g」、通常価格6,000円がおよそ半額の3,050円で。さらに通常価格9,900円の「もつ鍋(6人前)」が約7割引の3,320円で販売。伊藤さんは「美味しく、価格が安く、なおかつアクセスが良ければ、興味を持って実際に購入する人も増えると思う」と期待しつつ、多くの食品ロス削減サービスを知り「個人的にはフードロスはあまり意識していなかったが、今後は意識していきたい」と考えを改めていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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