〝杉山清貴抜けたオメガトライブ状態(笑)〟結成25周年「ポカスカジャン」初の2人ライブ開催!

ポカスカジャンの大久保(左)とタマ

コミックバンド「ポカスカジャン」が結成25周年を迎え、27日から「WAHAHA本舗PRESENTS ポカスカジャン2本立てライブ『ミュージカル式ヘルプ! ジョンとポールがやってくる!』『新作ライブ・新ネタ100連発!』」を開催する。メンバーの大久保ノブオ(54)とタマ伸也(53)が業界支持率ナンバーワンの人気と25年の歴史を振り返った。

「2人ともポカスカジャンをやろうとして始めてないんですよ。主体的な意思じゃないのに25年たったというのは長く続いたなと思いますね」

タマがこう振り返るように、当初はミュージシャンの夢を目指すも諦め、お笑いの道に進むことを決めた大久保とタマ。浅草花やしきの店員だった省吾を加えて3人で1996年にポカスカジャンは結成された。

寄せ集めのような形で結成したが、すぐにチャンスをつかんだ。「(結成した年の)夏ぐらいにフジテレビの東京Aランチで優勝したんですよ。決勝はココリコ、ネプチューン、ビビるがいた。向こうは優勝要員として出てたと思うから、あっちにしたら『まさか』だったと思う。そこでいきなりテレビに出ちゃうんです」(大久保)

その知名度を一気に高めたのが2000年に手掛けた赤城乳業の「ガリガリ君」のCMソングだ。「テレビもちょくちょく呼ばれるようになってドーンと来たのがガリガリ君じゃないですかね」(大久保)

思いも寄らない形で活動の幅は広がっていく。タマが「どっちかというと業界人受け。そのぶん一般にはハマんねぇ(笑い)」と分析するように、お笑い界だけではなく音楽関係者の注目を集めた。

03年にお笑い芸人として初めて日比谷野外音楽堂でワンマンライブを開催。04、05年のフジロック出演もお笑い芸人初の快挙。「フジロックのアバロンフィールドっていうステージがあるんですけど。あそこ5000人で入場制限なんですよ。その5000人ってのは最初ぼくらがやって『これ以上は危険だから』といって今5000人になってるんですよ」(タマ)という伝説まで作った。

ミュージシャンの夢を諦めたはずが気付けばフジロックのステージに立っていた。大久保も「お互いそのままバンドマンを続けてたら出られてない。そこまでの音楽の才能ないですから。これはラッキー。(忌野)清志郎にも会えたしね」と笑顔を見せる。アマチュア時代に憧れた細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、アルフィー、谷村新司など名だたるミュージシャンたちと共演を果たした。

大久保は「ぼくらのすごいところは清志郎ともやり、立川談志ともやる。で、アッコさん(和田アキ子)の誕生会でもやる(笑い)。この間口の広さだと思います」と胸を張る。
今回の公演では、ビートルズのパロディーバンドをやっている男2人の物語にポカスカジャンの歴史をダブらせていくという。
19年に省吾が一身上の都合で脱退。まさか25周年を2人で迎えるとは思っていなかった。大久保は「省吾がモノマネをやったり、絵描き歌やったりしてたんですが、その人がいなくなった。杉山清貴&オメガトライブの杉山清貴が抜けた感じ(笑い)。オメガの2人が何をするか。色が変わるでしょうね。あんな器用な人間はいませんから。でも今は楽しみですよ」と新たな挑戦に意欲を見せる。

タマは「25年のキャリアで初めてのことが2人でライブをやるということ。25年のキャリアがあるやつのジタバタするさまをみていただければ」。

大久保も「ロックフェスから演芸場までってぼくらぐらいしかいない。唯一無二のポジションにいる。これを極めていきたい。もう1回出たいね、フジロック。ビートルズネタが話題になって」と意欲を見せていた。

☆ぽかすかじゃん 1996年結成。「脱線音楽」を掲げ、世界各国の音楽を取り入れた曲、ネタが人気。赤城乳業「ガリガリ君」のCMソングを制作するなど幅広く活躍している。

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