【夏の甲子園】専大松戸・深沢11K完封「相手の嫌なことを考えた」センバツ準V明豊を圧倒

勝利の瞬間、雄たけびを上げた深沢鳳介

第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)第4日の16日、第2試合は専大松戸(千葉)が明豊(大分)を6―0で下した。強豪ひしめく「戦国千葉」を制した実力校と今春選抜大会の準優勝校という注目カード。優勝候補撃破に、持丸修一監督(73)は「感無量」と目尻を下げ、聖地に流れる校歌を感慨深く聞いた。

先発したエースが絶好調だった。横手投げから常時140キロ台の真っすぐを投げ込むプロ注目右腕の深沢鳳介投手(3年)が11三振を奪って無四球完封。強力打線を相手に「自分よりも格上の打者が多いので、相手の嫌なことをしようと考えて投げた。厳しいコースを突こうと思っていた」と作戦通りの投球だった。明豊の左打者は上位に4人。右横手投げ投手が苦にする傾向のある左打者に外への緩いカーブでカウントを稼ぎ、インコースの真っすぐで積極的に攻めた。

春の選抜大会では、中京大中京の今秋ドラフト上位候補の畔柳と互角の投げ合いを演じたが、悔し涙を流した。それをバネにして内角攻めを磨いてきた成果が、この日の完封。「周りから『中京大中京とあれだけの試合をしたんだから』と言われても、負けたんでは一緒だろうというところで深沢も奮起したんだと思う」(持丸監督)。

攻撃陣は初回からホームスチールを決めるなど積極的に仕掛け、終盤7回は盗塁、犠打、犠飛で手堅くダメ押し点を奪取。持丸監督にとっては新天地で飾る特別な1勝となった。

竜ケ崎一、藤代、常総学院(いずれも茨城)を甲子園に導き、ロッテ・美馬、日本ハム・上沢、ソフトバンク・高橋礼らをプロの第一線に送り込んできた73歳の名将。センバツ準優勝校に快勝しての初戦突破で、大きな弾みをつけた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社