韓国紙が農心と政府に疑問 「発癌ラーメンのミステリー」「韓国は基準すらない...サンプルも保管してない」

韓国食品大手「農心」などがヨーロッパに輸出したインスタントラーメンから、1級発がん物質であるエチレンオキサイド(ethylene oxide酸化エチレン)が検出されたことを受け、韓国に流通している製品にも疑問の目が向けられている。

韓国の食品監督当局である「食品医薬品安全処」(食薬処)は13日、農心の釜山工場と八道の利川工場でそれぞれ製造されドイツに輸出された「農心輸出用ヘムルタン麺」と「八道ラーポッキアメリカ」から有害物質が検出されたが、(問題となる製造期間が)当該する製品は韓国内では流通・販売されておらず、製造工程でも発癌物質であるエチレンオキサイドが使用されていないことが確認されたと発表した。

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問題となった当該製品はそれぞれ、1月27日、3月3日に生産された輸出向け製品であることから、それ以外は問題にならないという意味だ。

しかし、政府や農心の対応について「問題は少なくない」と分析するのは、この案件を韓国で最も先に報じたニューデイリー経済だ。同紙は、「農心、発癌ラーメンのミステリー…食薬処”別途の基準はない”」というタイトル記事を発表。同紙は、農心がエチレンオキサイドの流入経路の把握が出来ておらず、且つ原材料からもエチレンオキサイドが検出されなかったと発表されたことに強い疑問を呈した。

同紙は、「原材料には問題がないのに、製造された製品でエチレンオキサイドが検出されたというのはミステリーだ」とし、「これは、同じ理由で、国内(韓国)で流通されている《ヘムルタン麺》の安全も保証するのが難しいという背景にもなる」と指摘。「ヘムルタン麺」の原材料が、輸出用と国内流通用で多少の違いがあっても、基本的には変わらないはずだとし、農心や政府発表の「不審点」について質した。

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現在までに農心は国内流通ラーメンの完成品の検査は行っておらず、発売して時間が経過し容易ではない説明とのことだが、一般的には生産品のサンプルを企業内に保管するという業界関係者のコメントなども紹介しながら、農心に対し更なる疑問を投げかけている。

また、韓国政府当局が遅いことにも言及、昨年、ヨーロッパでインド産ゴマから基準値以上のエチレンオキサイドを検出され全数調査に乗り出した事例を紹介しつつ、「国内では食品中のエチレンオキサイドの基準すらない」と批判した。

消費者の一角では、農心が国内生産製品の大々的な調査に着手しいないことについて、政府の規制に死角地帯があるではないかという疑問が出ているとニューデイリー経済は伝えている。

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(アイキャッチ画像:欧州当局が販売中止措置をとった農心のヘムルタン麺と八道のラーポッキ)

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