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高校から本格的にヨットを始めた選手たちが“完全優勝”を成し遂げた。セーリング女子420級の長崎工A、B艇が金、銀メダルをつかみ、コンバインドも制覇。長崎県で指導して26年目の三嶋監督は「こんな完勝は初めて。周りとの実績や経験の差を心の強さで埋めた。生徒たちがいいチームをつくってくれた」と目を細めた。
例年同様に「日本一」を掲げて和歌山に乗り込んだ。13日から2日間は荒天で中止となり、迎えた第3日。ライバルはジュニアからの経験者が並んだが、主将の樋口は「絶対に気持ちで負けない」、副主将の山口綾も「同じ高校生。スタートラインに立てば条件は一緒」。全員が同じ思いで勝負の海へ駆けだした。
頼もしく成長した樋口、山口綾が、それぞれA、B艇のかじを取り、クルーとともに思い切った帆走を披露。2艇で第1レースから果敢に攻めて、1、3着と好発進した。第2、3レースもそろって上位をキープ。途中で抜かれても、勇気を持って判断したコース取りで抜き返した。総合1、2位につけて第3日を終了。すると、最終日が無風でノーレースとなり、表彰台独占が決まった。
表彰式後、歴代のOGがそうしてきたように、みんなで三嶋監督へ金メダルを掛けた。「技術的な部分はもちろん、先生の心のサポートが大きかった」(山口綾)「幸せな気持ち。目標が達成できて本当にうれしい」(樋口)。涙、笑顔とともに、恩師への感謝があふれた。
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