SkyDrive、JAXAと協力し空力特性の研究加速

JAXA所有 日本最大の航空機用風洞試験設備

株式会社SkyDriveは、「空飛ぶクルマ」の開発を加速するべく、自社での研究に加え、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)の協力の元、空力特性に関する研究を開始した事を発表した。

空飛ぶクルマのプロペラは、飛行機やヘリコプターと異なる用い方をしており、その空力特性には未知の領域が存在する。空気がプロペラにどのような影響を与えるかを正確に把握することは、機体を開発していく上で最重要要素の一つとなるという。空力特性を踏まえて、プロペラの形状や回転数を最適化することが、電力活用の高効率化、飛行の安定化、静音化などの性能向上につながるとも言える。

JAXAは、日本最大の航空機用風洞試験設備を有しており、飛行機やヘリコプター等、これまで日本で開発された航空機のほぼすべてが、この施設で風洞試験を実施し、それらのデータをもとに空力に関する研究が行われ、特性把握や性能向上が図られている。空飛ぶクルマのプロペラがこの設備で風洞試験を行ったのは、今回が日本で初めての事例となる。

SkyDriveは、今回、開発を進めている空飛ぶクルマに搭載候補としているプロペラを用いて、JAXAの風洞を用いて風洞試験データを取得した。

風洞試験データを確認するSkyDriveメンバー

空飛ぶクルマの開発には、風洞試験と計算流体力学(Computational Fluid Dynamics: CFD)による解析の連携が今後ますます必要となってくる。

SkyDriveは今回の試験をさらに発展させ、機体を使った風洞試験や計算流体力学による解析、加えて飛行データの解析を合わせ、JAXAと研究開発を進めていきたいという。空飛ぶクルマの性能及び安全性を高め、空を介して日常的な移動に空の道を活用する、移動の自由が広がる社会の実現を目指していくとしている。

株式会社SkyDrive 最高技術責任者の岸信夫氏は次のようにコメントしている。

JAXA様の風洞試験施設は、航空機の開発にはなくてはならないもので、日本で開発されたほとんどの航空機が試験をしてきた施設です。今回SkyDriveがこの設備で試験をしたことによって、SkyDriveが開発する「空飛ぶクルマ」が、安全安心な信頼できる航空機へ一歩近づいたと感じています。

JAXA様のご協力を得て取得したデータは、社会に求められる機体仕様実現に向けて、ローターの設計開発に役立ててまいります。今回はローター単体の試験でしたが、今後は機体全体の空力設計や解析など、協力の幅が広がることを期待しております。

▶︎株式会社SkyDrive

© 株式会社プロニュース