夏の鎌倉の家を舞台にした素敵な物語『ゆっくりおやすみ、樹の下で』

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『ゆっくりおやすみ、樹の下で』

鎌倉を舞台に11歳の女の子・ミレイちゃんの夏を描く物語。作家の高橋源一郎がはじめて書いた児童文学小説です。繊細でみずみずしく、愛に満ちた物語を夏の読書にぜひ。

ゆっくりおやすみ、樹の下で
著者:高橋源一郎
出版社:朝日新聞出版

ミレイちゃんはおかあさんと鎌倉にやってきました。行き先はおばあちゃんの家「さるすべりの館」。夏休みのあいだ、一度も会ったことのないバーバとこの家でひと夏を過ごすのです。

おかあさんはミレイちゃんをバーバのもとに残して帰っていきました。緑の森に包まれた古い館で、ミレイちゃんの本当の夏がはじまります。

ミレイちゃんが暮らしはじめると、ずっと止まっていた館の時間、バーバをとりまく世界が動きだします。鎌倉に来て緑の森の中を歩いてから「いままでボヤけていたものがクッキリ見えるようになった」というミレイちゃん。犬の散歩をしながら「夏のかけら」を探すシーンがとても好きです。

ミレイちゃんの「朝時間」は、夏休みの最初の日の朝。「ミレイちゃんは、いつものように、自分でリンゴを切って、お皿に入れ、ヨーグルトをかけてさらにその上にはちみつをかけました」——。何気ない日常が夏の扉を開けてくれます。朝の光のなかで読みたい物語です。

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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