デンカ青海工場 車両転落3人死傷 採石現場通路崖下高低40メートル 作業終え下山中

 16日午後4時20分ごろ、糸魚川市青海のデンカ青海工場の敷地内で3人が乗った普通貨物自動車(ワゴン車)が、採石現場に至る通路を下山走行中、崖下に転落した。目撃した作業員が市消防本部に通報した。

 この事故で車両に乗車していた糸魚川市上刈3の会社員、細谷純司さん(48)、上越市東本町4の会社員、石田康広さん(66)の2人が脳挫傷で死亡。運転していたもう1人の男性は首の骨折などの重傷を負った。命に別状はなく、現在、上越市内の病院で治療を受けている。

 糸魚川署と県警本部は17日午後、内山嗣久署長らが立ち合い、現場検分、確認を行った。同署によると、通路から崖下までの高低差は約40メートル。通路はコンクリート舗装されており、幅員は5メートル以上あった。現場付近の路肩には盛り土、除雪用ポールが設置されていたが、ガードレールはなかった。引き続き事故原因などについて捜査している。

転落事故の発生した採石現場に至る通路。車両が約40㍍滑落した(17日午後1時すぎ)

◇死傷者と家族に冥福とお見舞い デンカ株式会社

 車両転落事故の発生を受け、デンカ株式会社(東京)は16、17日、2回にわたりプレスリリースを発表した。死亡した2人の冥福を祈り、遺族に対しお悔やみの言葉を述べた。重傷の1人にお見舞いをした。

 同社の調査報告によると、事故現場は同社青海鉱山の西山登山道。3人は建設会社の下請け作業員として、鉱山拡張工事に当たっていた。16日午後4時17分ごろ、下山途中に3人の乗車するワゴン車がカーブの盛り土を乗り越え滑落した。

 同社は事故原因の究明などに誠意を持って取り組んでいくと表明。事故原因が判明次第、関係当局の指導を仰ぎながら建設会社と共に適切な再発防止策を実施すると説明した。

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