阪神・青柳 “五輪ショック”なし! OB川尻哲郎氏はノルマ修正「15勝はしてもらわないと」

後半戦初登板で9勝目をマークした阪神・青柳

阪神・青柳晃洋投手(27)が17日のDeNA戦(東京ドーム)に先発し、6回を7安打2失点(自責は1)。ハーラートップタイの9勝目を挙げ6―2の勝利に大きく貢献した。

防御率も依然リーグトップの1・87。「テルのおかげで僕に勝ち星がつきました」と、この日2本塁打を含む3安打3打点を挙げた佐藤輝を称賛した青柳は「久々の先発でペース配分がわかりませんでした。球数も多かったですが(女房役の)梅野さんが引っ張ってくれました」と笑顔。日本代表の一員として出場した東京五輪では、救援登板した2試合でいずれも失点。状態を心配する声もあったが「オリンピックのせいで調子が悪くなったとか言われたくなかった。今回の登板の内容が良くなければ選んでくれた稲葉さんにも悪いですし、今回はすごい気合を入れて投げました」と反骨心をチラつかせた。

阪神OBで青柳と同じ右のサイドスロー投手として1990年代の阪神を支えた川尻哲郎氏(52)も、再三のピンチを粘り強くしのいだ青柳のメンタル面のタフさを称賛。「左打者へのインコースへの攻めが甘くなるなど状態は万全ではなかったかもしれないが、悪いなりにゲームをつくれていた。青柳は今チームで一番安定している投手。彼で負けると阪神は苦しいからね。エースとでも呼びたくなる投球だった。五輪でのショックはもう完全に払拭してくれたのでは」と安堵の表情を見せる。

青柳がかねて目標と公言しているシーズン13勝は、くしくも川尻氏のキャリアハイ(96年)と同じ数字。「13勝って聞いて最初は『俺のこと意識してくれているのかな』と思ったよ(笑い)。ただ阪神が今年優勝するには青柳くんには15勝はしてもらわないと。何よりも『青柳が投げればチームは負けない』というピッチングを今後も見せてほしい」と自身の系譜を受け継ぐ後輩へエールを送った。

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