日頃の罪をざんげし、精進を誓う「閻魔詣(えんまもうで)」が16日、神奈川県秦野市蓑毛の蓑毛大日堂境内の閻魔堂で開かれた。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止だったため、2年ぶりの開催となった。
8月16日は「地獄の釜のふたが開く」という言い伝えがあり、閻魔大王が地獄を留守にし罪人が責めを逃れることができるとされる。この日に参拝すると無病息災や延命長寿がかなうとされている。
秦野での閻魔詣は、市民有志らでつくる「はだの大日堂保存会」が2014年から開催。この日は日が沈んだ午後6時半ごろ、境内には約200個の赤いちょうちんに明かりがともされ、幻想的な雰囲気に包まれた。閻魔堂ではろうそくの明かりの中、参拝客が、江戸時代中期に造られた市指定重要文化財の閻魔像などに見入っていた。
近年は文化財の老朽化やその修復に多額の費用がかかることが課題となっている。同会の松本亮三会長(69)は「コロナ禍ではあるが感染防止策を取りながら、地元の歴史や文化財への関心を高める取り組みを続けていきたい」と話した。