【札幌記念】“白毛のヒロイン”ソダシが雨中の最終追い 須貝調教師「いい形で復帰戦を迎えられる」

馬なりで1馬身先着を果たしたソダシ

夏競馬最大のビッグマッチ・GⅡ札幌記念(22日=札幌芝2000メートル)の最終追い切りが18日朝にスタートした。最大の注目は桜花賞馬ソダシ。5月のオークスでは8着に敗れて無敗の連勝がストップした。その後はしっかり放牧で立て直して迎える復帰初戦。秋に向けて白毛のヒロインは復活を果たすのか、否か? その最終追い切りに迫った――。

昨年のデアリングタクトに続いて無敗の牝馬2冠を狙ったオークスでは8着惨敗。他馬のマークが厳しくなったうえに、道中も力む面が見られたが、それでも4角からもうひと伸びしようと抵抗したのがソダシの真骨頂だ。クロフネ産駒の芝2000メートル以上の重賞未勝利という呪縛からの解放はいまだになされず、連勝は「5」でストップしたが、ファンの注目、過度なプレッシャーがなくなったことで逆に鞍上の吉田隼、陣営ともにこれまでとは違った競馬、調整方法を取り入れられることになっただけに前向きな敗戦と捉えてもいいだろう。

オークス後は放牧を挟んで7月22日に函館競馬場へ入厩。馬体は細いくらいに仕上がっているように映るが、「体重こそ変わらないけど、背が伸びて落ち着きも出て少しは大人になったかな」と今浪厩務員が話すように精神的な成長が見られて春先よりも一段階のレベルアップを果たしている。それを端的に示すように函館芝コースでの1週前追いは同じく札幌記念に出走予定のユーキャンスマイルと併せて寄せ付けなかったようにスピードに加えて、さらにパワーが兼備してきた印象を与えた。

最終追いは主戦の吉田隼が手綱を取って激しい雨が降りしきる中、函館芝コースでロジマギーゴー(2歳未勝利)との併せ馬。少しゴネる面は見せたが行き出してからはスムーズに加速。先週までしっかり負荷をかけたので鞍上の手綱は持ったままだったが、それでも5ハロン67・6―12・4秒で1馬身先着、見た目以上にスピード感があった。「ジョッキーが乗って(追い切りをするのがわかって)ゴネていたように本当に賢い馬。息もすぐに入ったし、先週ビッシリやったので今週はこれで十分。いい形で復帰戦を迎えられる」と見届けた須貝調教師は満足げな表情を浮かべた。

牝馬ラスト1冠・秋華賞(10月17日=阪神芝内2000メートル)へ向けて他馬よりも一足早い始動戦となるだけに、ここで成長した姿を見せて再び白毛伝説第2章を作り上げていくはずだ。

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