韓国有力紙「次期政権は成長率0%台突入」「中国との関係再確立は絶対絶命の課題」

韓国の有力紙・中央日報は17日、来年2月の北京冬季五輪が「経済大国を超え、中国体制の優秀さを知らせる宣伝の場になる」という記事を掲載。低成長に突入しようとしている韓国は、中国との関係再確立が避けられないと論じた。

同記事を寄稿したチェ・ビョンイル韓国高等教育財団事務総長は、「紆余曲折の末に開催された東京オリンピックが無事終わったが、世界は6ヶ月後に、また別のオリンピックに直面する」とし北京冬季五輪2022について言及。

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「最初の北京オリンピック(2008)が中国の経済大国浮上を世界に誇示する展示場だったとすれば、次の第二の北京オリンピックでは、共産党が指導する中国体制の優位性を誇示する宣伝の場として計画されている」と指摘した。

2008年の頃には中国の体制に楽観的だった欧米も、今は悲観し、批判しつつも、コロナパンデミックのなか、(それを追求できるほどの)余裕もなく「西欧民主主義の深刻な混乱とは対照的に、中国のデジタル権威主義体制の安定性を浮き彫りにした」と分析した。

一方でチェ事務総長は、「米中覇権競争の中、韓国はどのようにすれば、ダイナミックな経済を作り出すことができるだろうか」と問い、これこそが「次の政府が出会う絶体絶命の課題である」と述べた。

ソウル大のキム・セジク教授の「韓国経済は5年ごとに1%下落の法則」によると、次期政権では経済成長率0%台に突入し、このような成長氷河期は、大規模な失業・早期退職・求職難など、雇用氷河期を意味するとチェ事務総長は懸念する。

彼は、「国が雇用を創出し、失業者を救済しようとしても、国家財政が耐えがたくなる」とし、韓国の最大の貿易相手国である中国との関係再確立は避けられない運命にあると説く。そして、「過去20年間、韓国の製造業のパラダイムに据えた《中国投資プラットフォーム》(中国への投資、世界への輸出)は持続可能性を疑われている」とし、「変化しなければ崖っぷちに追いやられる運命にある」との見方を示す。

しかしながら、チェ事務総長は、次期韓国大統領選候補らが、「誰彼となく国内の問題にぶら下がっている」とし、「韓国の生存と繁栄のための未来志向的なビジョンは、よく見えない」と嘆く。さらに、「これまで韓国政府は、その理念志向に関わらず、中国の前ではいつも生気がなく、窮している」と述べた。THAAD(ミサイル防衛システム)配置時の中国の経済報復に対しては正しく抗議すらできず、習近平主席がトランプ大統領との最初の首脳会談で「韓国は中国の一部であった」と歪曲しても韓国政府が公式に反論声明を出さなかったと批判した。

しかし、チェ事務総長は、「朝鮮時代の《小中華》が韓国人のDNAと呼ぶ診断は妄言である」とし、「経済の奇跡と政治の奇跡をすべて成し遂げた民主主義経済大国である大韓民国は、すべての面で中国と明らか違うではないか」と強調している。

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