F1日本GP中止「日本政府の要請」報道にファン反発〝五輪開催はいいのか〟

レッドブル・ホンダのフェルスタッペン(ロイター)

ホンダのラストイヤーとなるF1日本グランプリ(GP)が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、大きな波紋を呼んでいる。

鈴鹿サーキット(三重県)を運営するモビリティランドが18日、F1世界選手権の第17戦となる日本GP(10月8~10日)の開催中止を発表した。

今年の日本GPは長年F1活動を行ってきたホンダのラストイヤーで、タイトルスポンサーを務めることも決まっていた。さらに今季はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が総合優勝争いをけん引し、製造者部門でタイトル獲得への期待も高まっている。さらにアルファタウリ・ホンダのルーキー日本人ドライバーの角田裕毅が奮闘しており、F1ファンの注目が高まっていた。

この決定を巡って、東京五輪の開催強行を引き合いに出して日本GPの中止を疑問視する声が上がっている。

鈴鹿サーキットは「開催中止の決断をした」と発表しているが、F1公式サイトは開催中止について「キャンセルされた」としている。また、アイルランド紙「アイリッシュサン」は「パンデミックのため、日本政府の要請によりキャンセルされた」と政府の決定で中止が決まったと報道。そのうえで「日本は最近、東京五輪を開催し、8月24日からはパラリンピックも開催される。国内で新型コロナ感染が増えたため日本政府はレースを中止するよう動いたが、この決定はF1の代表者が感染対策の厳しいルールに従うことを約束しているにもかかわらず行われた」と指摘した。

F1ファンからも東京五輪の開催を引き合いに出して不満の声が続出。ネット上では「日本の感染拡大は自民党政権による人災です。F1は中止なのに、五輪開催はおかしいでしょう」「五輪より厳格な管理が行われるF1にNGを出す政府って何なんだろう」「無観客なら五輪よりもはるかに人員規模は小さいのにビザが発給されないとは」と批判が高まっている。

新型コロナ禍の深刻化もあり、日本GPの中止はやむを得ないだろうが、その一方で東京五輪や一部のスポーツでは今後も国際試合が予定されている。〝特権〟に対する反感が出るものも当然だろう。

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