重圧をモチベーションに ソフトバンク・千賀〝復活〟の原動力

声援に応える千賀

ソフトバンクが18日の楽天戦(楽天生命パーク)に3―0で快勝し3連勝を飾った。逆転Vに向けて頼もしい投球を見せたのがエース・千賀滉大投手(28)だ。6回を2安打無失点に抑える貫禄の投球で4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来となる2勝目を挙げた。

東京五輪で侍ジャパンの金メダルに貢献したものの、チームでは左足首靱帯損傷からの復帰登板だった前回7月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)でまさかの10失点を喫していた。「もう後がない状況だと自分を追い込んで投げた」と振り返りホッとした表情を浮かべた。

これまでも千賀を成長させてきた原動力の詰まった復活勝利でもあった。高校時代から投手となり育成選手をへて今や球界のエースとなった。もっとも「僕は本当に投手というポジションが大嫌いなので」とも口にする。チームの勝敗に関して背負う部分が多く、好投すればヒーローとなるがその逆もある。現在の姿からはみじんも感じられないが、その思いは根本的に変わっていないという。

その一方で、年々高まる周囲からの期待や責任感を正面から受け止めて、モチベーションに変えてレベルアップしてきた。「『千賀なら』という言葉や『お前ならできる』という声をかけてもらうようになり、その期待に応えないといけないし、マウンド上で嫌な思いをしたくない。その一心で(取り組みなど)いろいろ考えて、決意を持ってやるというのが根底にあると思う」。

後半戦に入り投手陣が無失点を続けており、球団新記録となる42イニング連続無失点となったソフトバンク。エース復活でさらに投手力に厚みが増した。

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