韓国保守系紙「日本の五輪メダル戦略に習おう」「韓国の言葉は色褪せた」

韓国の保守系紙が、東京五輪における日本の「メダル戦略」を見習おうと呼びかけている。日本がメダルラッシュを実現したのは戦略的な競技支援や堅実な社会体育基盤があったとの分析から。

韓国日報は19日、「英国に習った日本に習おう」というタイトル記事を掲載し、「開催国日本の躍進は驚くべきだった」と評価。

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金27個など58個のメダルで総合3位となった日本に対して、「ホームアドバンテージを勘案しても、1996年のアトランタで23位まで停滞した国というのが信じられない上昇だ」と持ち上げ、「中国に次ぐアジア2強と息巻いた私たちにも、もはやライバルという言葉も色褪せた」と指摘した。

韓国日報は、日本が東京五輪を控え、メダル獲得の可能性が高い銘柄を集中的に支援したと指摘。「Sランク」と「Aランク」に分類した16種目に選手の実力向上のための予算を30%と20%ずつより与えたと伝えた。

その結果、日本が今大会で獲得したメダル58個のうち47個、金メダル27個のうち25個がS及びAランクの種目だったとし、「これは英国の成果主義を導入したおかげだという分析が出ている」と指摘。1996年のアトランタで金メダル1個に終わった英国は、2012年ロンドン五輪3位、2016年リオ五輪2位にまで躍動。東京でも総合4位、メダルの数では3位のスポーツ強国に生まれ変わったと紹介した。

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同紙は、「私たちもメダル戦略を立てたが、日本との違いは底辺にある」と指摘。日本は20種目でメダルをとり、11種目で金メダルを獲得したのに対し、韓国はメダルをとった種目が8、金メダル種目は3だったことを挙げ、「偏たりがひどかった」と評価。

また、韓国の選手と違い、日本選手たちの所属は銀行など多様な職場で会社員として社会生活をする選手も多いことや、中・高校生のころから部活でスポーツに接する彼らが、入試にぶら下がる韓国とは異なり、その後も好きなスポーツを続けるなど、「豊富な量的及び質的資源の基盤を作った堅実な日本型体育社会」に背景があると伝えている。

韓国日報は、東京オリンピックを契機に、「韓国もメダルの色よりも選手たちの挑戦を応援する文化が定着したという評価が出ている」としつつ、「ただし国家競争力と直結するエリート体育(主義)の退化につながってはいけない」と指摘。「《勉強する運動選手》という政策の方向性は良いが、勉強も運動もできない選手を量産しているのはないかと心配だ」と有力した。

その上で、「生活体育ベースのエリート大国」を同紙は掲げ、「水と油の共存のような課題だが英国と日本はやってのけた」とし、韓国のスポーツも変わらなければならないと提言している。

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