雷の影響で試合が1時間中断し、再開後はさらに雨脚が強まった。カードが飛び交い、ピッチ内に担架が運び込まれた。まさに激闘と呼ぶにふさわしい接戦。制したのは、今回も鹿島だった。V長崎は、過去3度の対戦で全敗している格上に逆転負けを喫した。
V長崎はいい意味で予想を裏切った。力関係から見れば「手堅く守って速攻」がセオリーだったはずだが、序盤から強気でボールを持ち、相手が食いついて生じたスペースを突くような攻撃を繰り返して先制。カイオセザールやウェリントンハットは個人技でも相手を手玉に取り、試合の主導権を握ったかのように見えた。
だが、ハーフタイムの中断で潮目が変わった。「勝負に対する執着心が強いチーム。下のカテゴリーに負けるわけにはいかないという意識が強い」とは松田監督の鹿島評。後半開始からギアを上げてきた相手に猛攻を受け、3点を失った。
東京五輪や豪雨の影響などで、V長崎にとっては約1カ月ぶりとなる公式戦。堅守のイメージが強かったチームが攻撃で進化を印象づけた。中断期間中のトレーニングが正しかったのかを確かめる意味では、敗れてなお収穫は大きい。
サッカー天皇杯 V長崎8強ならず J1鹿島に1―3 攻撃に収穫アリ
- Published
- 2021/08/19 11:30 (JST)
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