【全日本】3年ぶり王道T制覇へ エース・宮原がぶち上げた〝出口戦略〟

TーHawk(上)にシャットダウンSHを見舞う宮原

全日本プロレスのエース・宮原健斗(32)が、独自の〝出口戦略〟をぶち上げた。

シングル最強を決める「王道トーナメント」では、18日の保土ヶ谷大会で行われた2回戦でT―Hawkと対戦。相手のスピードとパワーに押される場面もあったが、最後は必殺のシャットダウンスープレックスホールドで3カウントを奪い「同世代にああいう選手がいることをうれしく思う。T―Hawk、噂通りの男だな。次は石川修司か。プレミアムチケットになりそうだな」と準々決勝(24日、東京・新木場1stRING)へ闘志をみなぎらせた。

今トーナメントにかける思いは誰よりも強い。2018年大会では初制覇から一気に3冠ヘビー級王座を奪取。その勢いのまま川田利明の持つ最多防衛記録「V10」に並んだ。その軌跡を再現しようとしているからだ。

「実は昨日(17日)、ちょうどV10の試合を見返したんですよ。気合を入れるために。キラキラしていましたし、最近は少し自分自身おとなしくなっていた部分があったと反省もしました」と明かす。その上で「今度は30代としてキラキラではなく、ギラギラした王者像をつくる。ちょい悪オヤジ的な。そのためにまずは3年前と同じく王道トーナメント制覇ですよ」と目を光らせた。

当時の映像を見て改めて感じたのが、声援の重みだ。王道マットが誇るナルシストは「僕は声援ができる時代はもうすぐ来ると予感しているんです。でもその時、宮原健斗が3冠王者じゃないとダメでしょ。これは団体どうこうじゃなくて、プロレス界のために。ファンの人もそれを目標にしてほしい。そのためにも勝ちますよ。これが僕のコロナからの〝出口戦略〟です」と胸を張った。

復権への道筋を示した男は、このまま公約を守れるか注目だ。

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