MBSテレビ「これから来ーるJAPAN」で、MBSアナウンサーの清水麻椰さんが歌舞伎役者・市川弘太郎さんの舞台裏を取材した。
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歌舞伎界には代々受け継がれる屋号と呼ばれる看板が100以上あるそうで、弘太郎さんはその中の一つ「澤瀉屋※」の役者。この日主演を務めるのは、弘太郎さんの自主公演「不易流行 遅ればせながら、市川弘太郎の会 」だ。(※澤瀉屋の「瀉」の字は、本来はつくりのウ冠の部分がワ冠になります。)
自主公演は役者として舞台に出演するだけではなく、舞台セットの発注から確認、小道具や衣裳などの準備など、裏方の作業も自身で行うという。弘太郎さんは、舞台裏やテレビ電話などで、関係者に指示を出していた。
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今回の公演には歌舞伎界のサラブレッド・中村七之助さん、市川中車さんの息子・市川團子さんら豪華共演者が出演。自身も歌舞伎役者として活躍する市川中車さんは「僕も勉強するところ、学ぶところは多いです。小さい頃から経験を積まれていらっしゃいますし、もう十分に実力は備わっていらっしゃると思っています」弘太郎さんを絶賛した。
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歌舞伎一家ではない家庭に生まれた弘太郎さん。2歳の頃初めて歌舞伎を見に行った際に「もっと見たい」と言ったそう。その後、日本舞踊の先生だった伯母のもとで踊りの稽古を積み、自身の意志で「澤瀉屋」の門を叩いたのだという。12歳で初舞台を踏むとその後はアジアや、アメリカなどでの海外公演にも積極的に参加し、経験を積んだ。そして今回、満を持しての自主公演の開催となった。
弘太郎さんは、小さい頃に二段ベッドで再現していた歌舞伎のセットを今回の公演で実現。「本当に出来るんだというワクワクの方が強くなって来たのと、『上手い!』って言ってくださってありがたいんですが『そりゃ二段ベッドでいっぱいやってたからね』と思いました」と、オチャメな一面も見せた。
さらに、コロナ禍で会場に来られないお客さんのために舞台を収めた映像作品を作ることに決めた弘太郎さん。その費用をクラウドファンディングで募ったという。さらに提灯の名前チェックまで自身で行った。
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今回の自主公演は同年代としてともに頑張る、中村七之助さんと尾上松也さんの後押しもあって実現したのだという。3人で食事をした際に、七之助さんと松也さんが弘太郎さんの背中を押してくれたそうで「これは逃げちゃいけないな」と、自主公演を決意したのだそう。
松也さんは「なんでもできますから弘太郎さんは。本当に器用ですし、踊りも達者ですし、情熱も持ってやってらっしゃるのは同世代ながら刺激を受けます」と話していた。
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客席を半分に減らしての今回の公演だったが、松也さんは公演を少しでも盛り上げようと劇場アナウンスを担当してくれることに。本番直前まで寄り添ってくれるその声に、弘太郎さんは涙を見せていた。
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上演するのは、歌舞伎ファンなら誰もが知る定番中の定番、義経千本桜より、「吉野山」と「川連法眼館の場」。「川連法眼館の場」は通称「四の切」という演目。なんと、きつねが侍に化けて、鼓になってしまった両親を思い、その鼓に会いに行く…という物語だ。キツネが主役ということもあり、アクロバット的な動きが見どころで、清水アナも「最後目が離せなかった…弘太郎さんがキツネに見えましたね」と感激した様子だった。
大成功で幕を閉じた今回の自主公演。市川弘太郎さんは「課題がいっぱい残る回でした。緊急事態宣言の中、命がけで見てくださった中でちゃんとその思いに応えることができたのかな…喜んで帰ってほしい、その期待に応えられたかなということを常に考え続けていくんじゃないですかね」と、話していた。
<オンライン配信>
「不易流行 遅ればせながら、市川弘太郎の会」公演オンライン配信(有料)
配信先:イープラス「Streaming+」
配信期間:9/25(土)10時〜10/1(金)23時59分
料金:3,300円(税込) ※別途、システム手数料220円
視聴チケットは本日18時からイープラスにて販売開始
詳しくは「市川弘太郎の会」ホームページにてご確認ください
販売ページURL:
https://eplus.jp/sf/detail/3479560001-P0030001
よんチャンTV 清水麻椰の「これから来ーるJAPAN」
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