ボットーは殿堂入りできるか 4人の専門家は満場一致で「イエス」

今季の後半戦から急激に調子を上げているジョーイ・ボットー(レッズ)。後半戦のOPSは1.000を優に超え、全盛期に戻ったかのような強打を発揮している。そんななか、メジャーリーグ公式サイトではアリソン・フーター、マーク・フェインサンド、マーク・シェルドン、アンソニー・カストロビンスの4人が「ボットーは殿堂入りできるか」について議論。ボットーの類稀なる出塁能力の高さを最大限に評価し、この4人の専門家はボットーの殿堂入りについて満場一致で「イエス」と回答した。

今季3つのマイルストーン(2000安打、300本塁打、100打点)に到達したボットーは、今年9月に38歳の誕生日を迎える。打撃3部門のタイトルを獲得したことは1度もないが、リーグトップのOPSをマークした2010年にMVPを受賞。再びリーグトップのOPSを記録した2017年はMVP投票で2ポイント差の2位に終わったが、「あの年はジャンカルロ・スタントンではなくボットーが受賞すべきだった」との声は多い。このほか、オールスター・ゲーム選出6度、ゴールドグラブ賞1度といった輝かしい実績を残しているが、何よりも光るのがリーグ最高出塁率を7度もマークしていることだ。

フェインサンドは「以前の投票者は出塁率をそれほど重視していなかった。しかし、現在の投票者にとって、7度の出塁率1位は7度の首位打者よりも価値があるだろう」とコメント。レッズ担当として長年ボットーの活躍を見てきたシェルドンは、ボットーが強打者の証とも言える「打率3割、出塁率4割、長打率5割」のスラッシュラインを通算でクリアしていることにも言及した。

また、フーターは「自分のポジションで10年間素晴らしい活躍をすれば殿堂入りに値する」と自身の見解を示し、フェインサンドは「2010~19年の10年間でボットーは打率.306、出塁率.428、長打率.516をマークし、平均105四球、109三振を記録した。今の時代に四球と三振の比率が1:1というのは驚異的だ」と具体的な数字とともにフーターに賛同。また、7度の出塁率1位を達成した選手がテッド・ウィリアムス、ベーブ・ルース、バリー・ボンズ、ロジャース・ホーンスビー、タイ・カッブという「レジェンド」しかいないことも紹介した。

さらに、カストロビンスはボットーに対して「四球ばかりでランナーを返そうとしない」という批判があったことを紹介し、4人の専門家は「これは塁に出ることを否定することになる」とボットーの出塁優先のアプローチを擁護。シェルドンは現在のボットーがマイク・トラウトやロナルド・アクーニャJr.、ムーキー・ベッツといった年下のスター選手の映像を見て「強くスイングする」というアプローチを取り入れ始めたことにも触れ、「30代後半になってこのようなことができる選手は多くない」とボットーの姿勢を称えた。

ボットーは2023年限りでレッズとの10年契約が終了(2024年は球団オプション)するが、2023年限りで引退したとすると、2029年の殿堂入り投票から登場することになる。4人の専門家は「初年度の2029年に殿堂入りする可能性もある」と指摘し、その根拠として「それまでに投票者が入れ替わり、古い価値観の投票者がいなくなっている可能性が高く、ボットーが残した数字が正しく評価される」ことを挙げた。

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