韓国食品当局が「ワサビ」製造社9カ所を摘発 「本ワサビを使用せず消費者だます行為」

韓国で、「ワサビ」と銘打つも実際には本わさびが含まれない製品や業者が摘発された。これら製品は「本わさび」ではなく「西洋わさび」(ホースラディッシュ)を使用していた。それでもワサビと称することが韓国では長年慣習となっていたことから、業者らが反発している。

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韓国の食品当局である食品医薬品安全処(食薬処)は今月、本わさびを使用していないにも関わらず「ワサビ」と称した製品を販売したとして、オットギ社やウムトゥリ社、イーマート、ロッテショッピングなど9カ所のメーカーや流通企業を摘発したと発表した。ワサビ製品を製造・流通するほとんどの企業が対象となっている。

西洋わさびは本わさびに比べ原料価格が5~10倍安い。

食薬処によると、昨年11月ごろから今年7月まで、オットギ精油社は西洋わさび、西洋わさび粉末20〜75%のみを入れた製品「わさび粉(スパイス製剤)」など5つを製造し、製品名と原材料名には本わさびのみを使用したように表示し、(系列の)オットギ社に約321トンの31億4000万ウォン相当を販売した。

画像:摘発された韓国のワサビ製品/食薬処報告書キャプション

また、同時期にウムトゥリ社も、西洋わさびと同粉末15〜90%のみを入れた「生ワサビ」製品など11の製品を本わさびのみを使用したように表示し、イーマートとロッテショッピング、ホームプラスなどに約457トン、32億ウォン相当を販売した。

この日、食薬処は、これら企業の行政処分を要請しており、使用していない原料を製品に表示するなど消費者を騙す不正行為根絶のために引き続き取り締まると述べた。

一方で、これら企業の間では、過去40年にわたって慣習的に使用し問題となっていなかったことから反発の声が出ている。ウムトゥリ社は、これまでワサビという食品の名称は、本わさびや西洋わさびなどを総称して混用されてきたことや、故意に食薬処などの指示に反したことはないとプレスリリースで協調した。他のメーカーも法に沿った製造過程の変更などで対応が遅れただけと釈明している。

食薬処は昨年9月に、西洋わさびを使った場合の表示の新ルール「食品の基準及び規格の一部改正案」を立法予告しており、メーカーにも知らせていた。

このニュースをみた韓国のネットユーザーからは、

「食薬処は40年間何をしてたんだ?」
「安いのには理由がある」
「食べるものでふざける企業は退場だ」
「信じて買ったのに消費者を騙したね」
「これまで混用してたものをわざわざ摘発するのもおかしいな」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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