2021年8月18日、日産がニューヨークで新型「Z(ゼット)」を世界初公開した。北米市場では2022年春に市販化される予定。新型Z、日本名は言わずと知れた「フェアレディZ」だ。日本仕様の発表は“今冬”とされ、具体的な日程や、正式発売時期といった情報は明らかにされなかった。MOTA編集部がつかんでいる現時点での情報をもとに、日本仕様の新型フェアレディZについて予想してみよう。
日本で唯一、50年以上に渡り歴史を重ねてきた老舗スポーツカーブランド「フェアレディZ」
2ドアクーペのスポーツカーも、今や日本車ではすっかり希少な存在となった。2000年前後までは、各メーカーそれぞれに大小のラインナップされていたが、すっかり絶滅。残っているのはトヨタ GRスープラやGR86、スバル BRZにマツダ ロードスターとごくわずかだ。
そんな中、途中に若干のブランクはあったものの、1969年登場の初代登場から50年以上に渡り脈々と歴史を重ねてきたスポーツカーがある。
その名は「Z(ゼット)」。日産のフェアレディZだ。そんな老舗ブランドが2021年8月18日、7世代目となる新型モデルを世界初公開した。
日本仕様の公式発表は2022年1月の東京オートサロンか!?
初代Zは、日本以上に北米で大ヒット作となった。その人気は今なお続き、中古車の価値も年々高騰する一方だという。そんな多くのファンに敬意を表し、新型Zはまず北米でお披露目された。それでは母国日本での発表はどうなるのだろう。
8月18日に日産から発信された国内向けのプレスリリースには、文末に『なお、新型「Z」の日本仕様である「フェアレディZ」は、今冬の発表を予定しています。』とだけ記載があるのみ。
例えば「今年2021年12月」といった表記ではなく“今冬”とだけあるので、正確な時期はまだ定まっていないようだ。おそらく2021年12月末から2022年初春の1月頃にかけてのタイミングになるとみられる。
リアルイベントの開催はまだ不透明だが、例年なら1月早々に開催されるクルマイベント「東京オートサロン」会場でお披露目することを日産は目論んでいるのかもしれない。
新型フェアレディZの発売は2022年3月、価格は400万円台後半から500万円台に高騰か
なお、北米向けの新型Zは2022年春から販売だと発表された。正式な発表はまだないが、現行型同様に新型Zも日本の日産 栃木工場(主にFR系モデルの製造を担当)で生産され輸出されるだろう。そうなると日本向け新型フェアレディZの発売開始もほぼ同タイミングで行われると見て良い。
MOTAの予想では、日本仕様の新型フェアレディZは2022年の3月までに正式発売されると見込む。ただし日産は現在、半導体問題などの影響もからみ、他のニューモデルも含め発売タイミングが遅れ気味の状況にある。早期の正式発売に期待したい。
ライバルのGRスープラは輸入車扱いのためやや割高な価格設定
日産 新型フェアレディZの価格だが、まだ公式な発表は出されていない。
現行Z34型(V6 3.7リッターノンターボ・336馬力)の通常モデルの価格は、397万9800円(Z)から530万8600円(Z Version ST/7速AT車)となっている。新型Zは排気量が3.0リッターに下がったものの、およそ400馬力のツインターボエンジンへグレードアップする点が気がかりだ。
ちなみに直接のライバル車となるトヨタ GRスープラは、海外での少量生産のため、かなり割高な設定となっている。3リッターターボモデル「RZ」の価格が731万3000円、2リッターターボの「SZ-R」で601万3000円、ベーシックな「SZ」で499万5000円だ。新型フェアレディZはそこまで上がらないと見られる。
グレードラインナップの展開次第で多少変化するが、2022年春発売の新型フェアレディZの価格は、400万円台後半から500万円台が想定される。
いずれにせよ正式な回答は、今冬と言われる公式発表まで待つしかなさそうだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:NISSAN]