夏バテには夏の果物を!栄養たっぷりのフルーツ5選

夏のフルーツには栄養がいっぱい

(1)ビタミンC

夏に旬を迎えるフルーツがおすすめな理由のひとつは、ビタミンCの豊富さです。腎臓のそばにある副腎という器官をご存知でしょうか。副腎は血圧や体内の水分量、塩分量など体内環境を整える働きをしています。ストレスを感じた時、抗ストレスホルモンを分泌して、ストレスへの抵抗力を高めるのも副腎の働きのひとつです。夏は暑さや疲れなどのストレスも感じやすいため、どうしても副腎に負担がかかりがち。そして、抗ストレスホルモンを分泌するために必要なのがビタミンCなのです。ビタミンCはコラーゲンとも関わりが深く、メラニン色素の生成を抑える効果も。夏だからこそ、しっかり摂りたい栄養素です。

(2)カリウム

同じく夏に不足しやすい栄養といえば、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル類。夏はたくさん汗をかくため、これらのミネラル類が大量に消費されてしまいます。ミネラルの中でも体内でもっとも多いカリウムは、余分な塩分を排出したり、神経の伝達を手助けする役割を担っています。不足しすぎても摂りすぎても良くない栄養のひとつです。健康な人が通常の食生活を送っていれば不足することは少ないですが、暑いからと炭水化物中心の食事や食事を飛ばすことを続けていると、カリウム不足からさらなる夏バテを招く原因に。フルーツは食欲がない時にも比較的喉を通りやすいので、意識して食事に取り入れるようにしましょう。

(3)消化酵素

夏になるとアイスやジュースなど、冷たい食べ物を毎日たくさん摂っている人は多いのではないでしょうか。もちろん日々の楽しみとして食べる程度ならOKですが、食欲がない時の食事代わりにアイスを食べているようでは、栄養が偏ってしまいます。冷たい食べ物の摂りすぎに加えて、暑い屋外と冷房の効いた屋内の寒暖差で体の内外が大きな温度差にさらされると、胃腸にも負担がかかりがち。そんな時、積極的に摂りたいのがフルーツに含まれる消化酵素です。消化酵素の一部にはタンパク質を分解する働きがあり、弱った胃腸の働きをサポートしてくれます。

夏に食べたい旬の果物

(1)スイカ

夏の代名詞的フルーツであるスイカ。水分をたっぷり含んでおり、水分補給に役立ちます。含まれている栄養素はカリウムをはじめとするミネラルのほか、ビタミンCやβカロテン、リコピンなど。夏に食べるフルーツとして優等生的な存在です。カリウムは利尿作用が強く、体内の余分な水分の排出を促進してくれます。水分がほとんどなので、カロリーをあまり気にせず食べられるのも嬉しいポイント。あらかじめ一口サイズにカットして保存容器に入れて冷蔵庫で冷やしておき、塩を一振りして食べるのがおすすめです。塩分補給にもなり、思い立った時にすぐ食べることができます。とは言え、食べすぎるとジュースなどと同様、体を過度に冷やす原因ともなるので、ほどほどにしましょう。

(2)桃

桃もまた夏に旬を迎えるフルーツです。栄養のバランスが良く、スイカと同じくむくみなどを抑える効果のあるカリウムが豊富に含まれています。食物繊維の一種であるペクチンには腸の働きを整える効果も。果糖のおかげで甘く、水分が豊富でみずみずしいので、疲れた時のおやつとしてもおすすめです。お菓子などを食べるよりはカロリーも控えめですよ。桃は冷やしすぎると甘みがわかりにくくなるため、涼しい場所に常温で置いておき、食べる1時間ほど前に冷蔵庫に移すと美味しく食べられます。カットしたあと放置すると茶色く変色するので食べる直前に切るのが望ましいですが、6%程度の塩水を振りかけておくと色止めになります。

(3)夏みかん・レモン

夏みかんやレモンなどの柑橘類は、爽やかな香りとさっぱりとした味が特徴。夏バテ気味の時期にも比較的手が伸びやすいフルーツと言えます。栄養面も優秀で、ビタミンCとクエン酸が豊富に含まれています。ビタミンCは前述のように副腎で消費され、ストレスの緩和に役立ちます。加熱して食べる人は少ないと思いますが、ビタミンCは熱に弱い性質があるのでぜひ生のままいただきましょう。クエン酸は酸味のもととなる成分で、唾液や胃液の分泌を活性化して食欲を刺激してくれます。食欲が低下しがちな夏に心強い栄養素です。

(4)キウイ

キウイには食物繊維、ビタミン、ミネラル、クエン酸などの栄養がバランス良く含まれています。ビタミンCに関してはレモンを超える含有量があるフルーツとして有名です。キウイを1日2個食べれば、成人が1日に必要とするビタミンCが十分にまかなえるそう。さらに、消化酵素のひとつであるアクチニジンが豊富です。アクチニジンはタンパク質を分解する作用があり、胃の中で肉類の消化を助けてくれると言われています。半分にカットしてスプーンで食べられるという手軽さも魅力です。

(5)イチジク

イチジクは8月中旬から10月頃にかけて食べごろを迎えます。古代ローマで不老長寿のフルーツとして信じられていました。食物繊維やポリフェノール、カリウムなどを豊富に含んでいます。フィチンと呼ばれる消化酵素も含まれており、肉料理と相性の良いフルーツでもあります。熟していない実は食べると胃痛などの原因となるので、完熟したものを選びましょう。濃い赤に熟し、丸みと張りがあって先端に小さな裂け目ができているものが美味しいイチジクの目印です。

おすすめの食べ方

スムージー

カットフルーツや丸かじりも美味しいですが、複数のフルーツを効率良く摂るにはスムージーがおすすめです。葉物野菜を取り入れるとさらに栄養のバランスが良くなります。作る際のポイントは3つ。

●ポイント1

葉物野菜とフルーツをおよそ4:6にすること。フルーツが多めで青臭さが気にならず、飲みやすい比率です。

●ポイント2

フルーツを甘みの強いもの(桃、スイカ、バナナなど)と酸味の強いもの(柑橘類、キウイなど)を組み合わせることです。味のバランスもまろやかになります。

●ポイント3

ミキサーにかける時は水分量の多い食材から順番に行うことです。中身を見ながら適宜水分量を補いましょう。

【フルーツスムージーの作り方の例】

◆材料

  • 夏みかん 1個
  • 桃 1個
  • バナナ 1本
  • 小松菜 1/3~1/2パック
  • 水 適量

◆作り方

  • 1.フルーツの皮と種を取り除き、適宜カットしてミキサーに入れる。この場合は夏みかん→桃→バナナがおすすめ。
  • 2.刻んだ小松菜をミキサーに入れ、低速で撹拌する。
  • 3.様子を見ながら水を追加し、食材が大体混ざれば高速で1分ほど撹拌する。

フルーツサラダ

@misareon
@rietty1211

食事にフルーツを取り入れるなら、フルーツサラダがおすすめです。桃、キウイ、イチジクなどは、いずれも生ハムやクリームチーズ、他の野菜とも相性の良いフルーツです。甘みや酸味が良いアクセントになってくれます。

まとめ

バテがちな季節に食べたい旬のフルーツをご紹介しました。いつも同じような食べ物ばかり食べるのは健康に良くありませんが、食欲がなくなりやすい夏だからこそ上手にフルーツを摂りたいものです。含まれている栄養を知れば、さらにフルーツへの理解がもっと深まるはず。ぜひ試してみてください。

© 株式会社大新社