シーズン途中にトレード移籍した大物は? 澤村はロッテで再起、2012年MVP左腕も

日本ハムから巨人にトレード移籍した中田翔【写真:石川加奈子】

澤村はロッテ移籍後復活、翌年メジャー移籍へ

巨人は20日、日本ハムから中田翔内野手をトレードで獲得したと発表した。3度の打点王などに輝いた不動の4番。暴力問題によって出場停止となっていた中、再起をかけた移籍になる。球団の顔とも呼ばれる選手のシーズン途中での異例のトレード。ただ過去にも、大物選手がペナントレース真っ最中にチームを移ったケースはある。

記憶に新しいのは、巨人からロッテに移籍した澤村拓一投手。2010年のドラフト1位で中大から入団した右腕は、2011年に11勝11敗、防御率2.03で新人王を獲得し、2015年からは抑えに。翌2016年は37セーブを挙げ、タイトルに輝いた。ただ、2020年は防御率6点台と苦しみ、9月に香月一也内野手とのトレードでリーグを移った。ロッテでは22試合登板で防御率1.71をマーク。チームのクライマックスシリーズ進出に貢献し、今季はレッドソックス移籍も果たした。

10年前の2011年6月には、当時ロッテのサブロー外野手が工藤隆人外野手とのトレードで巨人に移籍。PL学園高(大阪)から1994年ドラフト1位で入団した好打者は2005年、2010年と2度の日本一に貢献した。2010年には1000安打、100本塁打を達成したが、翌年に移籍。ただ、2012年には再びロッテに復帰しており、巨人在籍はわずか半年弱だった。

かつてのパ・リーグMVP左腕も、シーズン途中のトレードを経験。現西武の吉川光夫投手は、日本ハム時代の2012年に14勝5敗、防御率1.71の活躍で、最優秀防御率のタイトルを獲得。シーズンMVPとベストナインに輝いたが、その後は黒星先行のシーズンも。2016年オフに大田泰示外野手、公文克彦投手との交換トレードで石川慎吾外野手と共に巨人に移籍し、2019年6月に鍵谷陽平投手、藤岡貴裕投手とのトレードで再び日本ハムに戻った。2020年は5試合に登板して防御率3.38。同年オフに西武へ移籍した。

メジャーも経験した吉井理人投手は、2007年途中にオリックスからロッテに移籍。2001年には、当時横浜(現DeNA)の波留敏夫外野手が中日に移った。選手個人やチーム事情が絡み合って行われるシーズン中のトレード。中田にとっては、今後のプロ人生を左右するトレードになるのは間違いない。(Full-Count編集部)

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