【新型コロナ】無症状の妊婦、37週以降でも「入院対象外」 神奈川県が基準見直し

入院基準の見直しを議論した県感染症対策協議会=13日午後、県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、神奈川県は感染者の入院優先度を判断する県独自の基準を見直した。病床の逼迫(ひっぱく)を受けた対応で、37週以降の妊婦らが無症状の場合は原則、入院対象となる目安から外れた。自宅療養者らの容体急変への備えが課題になる。

 基準は県独自の「入院優先度判断スコア」。年齢や基礎疾患などを基に点数化し、入院が必要かどうかを医師が判断する際の基準になる。合計5点以上を入院の目安とし、昨年12月に導入。5月にも判断項目の一部を変更している。

 今回の見直しでは、「37週以降の妊婦」や「透析」といった判断項目は点数を6点から5点に引き下げ、マイナス1点に設定されている無症状の場合は原則、入院対象の目安から外した。点数が同程度の場合は、血中酸素飽和度が低下した人の入院を優先させる。また、ワクチンを2回接種して十分な免疫がつくとされる14日を経過した人は、優先度が低くなるよう設定。重症化を抑えるワクチンの効果を踏まえた。

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