かみしめた「野球できる喜び」 敗れても充実の樟南ナイン コロナ下、雨で6日順延 ようやく踏みしめた甲子園

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待ちに待った憧れの舞台ではつらつとしたプレーを見せる樟南ナイン=20日、兵庫県西宮市の甲子園球場

 「甲子園で試合ができて良かった」。全国高校野球選手権大会に出場した鹿児島県代表の樟南高校は20日の初戦で三重県代表の三重高校に0対2で敗れたものの、ナインの表情に暗さはなかった。新型コロナウイルス下で2年ぶりの開催となる中、出場2校が選手らの感染でプレーを諦める事態に。長雨のため史上最多6日の順延を経てようやくたどり着いた憧れの聖地で、野球をできる喜びをかみしめた。

 見えない感染症との闘いに加え、季節外れの大雨にも振り回された。初戦は当初予定の14日から6日もずれ込んだ。試合開始時間も二転三転。室内での練習やトレーニングが続いた。

 ナインは難しい調整を強いられながらも攻守にはつらつとした動きを見せた。下池翔夢主将(3年)は「やっと甲子園でプレーできた。ここで終われて良かった」と充実した表情を見せた。

 鹿児島市の樟南高校では、新型コロナ対策のため職員のみ約30名が多目的ホールの大型スクリーンで観戦した。

 出塁してもなかなか得点に結びつけられないもどかしい展開。真剣なまなざしで選手を見守り、ゲームセットの瞬間には温かい拍手が広がった。

 「選手なりにコロナを乗り越えようとしていた」と話すのは、野球部の生徒を受け持つ中嶋佳秀教諭(38)。「甲子園への熱い思いが伝わった。胸を張って帰ってきてほしい」と力を込めた。

 緒方正範教諭(70)は「コロナ対策で部活動の時間が短縮されるなど思うように練習できない中、よく頑張った」とねぎらった。

選手の白熱したプレーに拍手を送る学校職員ら=20日、鹿児島市の樟南高校
スタンドから樟南ナインを応援する控え部員や保護者ら=20日、兵庫県西宮市の甲子園球場