2度クラッシュのアイデック・スポール17号車がル・マンを去る。決勝出走は61台に/WEC

 ル・マン24時間レースの“激戦区”LMP2クラスに参戦しているアイデック・スポールは、このレースウイークで2回目のクラッシュを喫した17号車オレカ07・ギブソンの決勝出場を断念し、伝統の耐久レースから撤退することを決めた。

 エラ・モータースポーツがバックアップするフランスのチームが走らせるこのクルマは、8月19日(木)に行われたフリープラクティス3回目の中で、ドワイト・メリマンがダンロップ・シケンでクラッシュしたことにより、21日(土)にスタートする決勝レースを欠場することになった。

 このクラッシュでは幸いメリマンに怪我はなかったが、17号車オレカは大きな損傷を受けており、チームは残りのスケジュールの活動を見合わせることを決めた。

 アイデック・スポールとエラ・モータースポーツの合同チームが走らせるクルマは、先週末の“テストデー”でもメリマンが事故を起こしたため、この週末に向けてモノコックを入れ替えて新たにマシンを組み立てていた。

 ブロンズドライバーのメリマンは、ライアン・ダルジールと、負傷したカイル・ティリーに代わり土壇場で今季のル・マン出場が決まったトマ・ローランとともに17号車のドライブを分担する予定だった。

「レースのチャンスを得る前にル・マンから撤退するのは心苦しいが、正しいことをしているのは理解している」と語るのは、エラのチームオーナーであるティリー。

「我々は、このイベントに参加することを強く望んでいたが、ここ数日の間に不幸な出来事が相次ぎ、今年のレースウイークは苦しい戦いが続いている」

「サルト・サーキットには敬意を払う必要があり、私たちはこのコースのスピードとテクニカル性を真剣に受け止めている」

「LMP2はダウンフォースが少なく、グッドイヤーの硬いコンパウンドタイヤで走るためとても難しい」

「土壇場でのドライバー交代、新しいシャーシ、そして2回目のアクシデントを経て、我々は厳しい決断を下さなければならなかった。レースに向けて100%の自信が持てないのであれば、出走しない責任があると考えている」

 アイデック・スポールの撤退により、今年のル・マン24時間のグリッドに並ぶのは計61台となっている。

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