限界集落・人口1,000人の村、徳島・木頭の"未来コンビニ"が、世界三大デザイン賞「レッド・ドット・デザイン・アワード」リテールデザイン部門で最優秀賞受賞!

徳島県那賀郡那賀町木頭地区の地方創生に取り組むKITO DESIGN HOLDINGSグループが運営する「未来コンビニ」が、 世界三大デザイン賞の一つであるドイツのデザインアワード「レッド・ドット・デザイン・アワード」2021年のリテールデザイン部門で、 最も優れた革新的なデザインに贈られる最優秀賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」賞を受賞。 「レッド・ドット・デザイン・アワード」は、 ドイツのデザイン機関「ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター」が主催する、 1955年に設立された国際的なデザイン賞。 「iFデザイン賞」(ドイツ)、 「インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞(IDEA)」(アメリカ)とともに、 世界三大デザイン賞の一つ に位置づけられている。 プロダクトデザイン、 ブランド&コミュニケーション、 デザインコンセプトの3カテゴリにおいて賞が存在し、 近年では毎年60カ国以上の国から10,000以上の応募が集まっている。

集まったデザインに対し、 その機能性や審美性をはじめ、 独創性・創造性・デザインの質・革新性・情緒性などといった様々な観点から20名以上の専門的な審査員によって選定が行われ、 約500点がレッド・ドット賞として選定される。 そのうち最も優れた革新的なデザインには各カテゴリの「ベスト・オブ・ザ・ベスト」が贈られ、 本賞の過去受賞者にはApple社、 SONY社(※)など世界的な著名企業が名を連ねている。未来コンビニはこの度、 ブランド&コミュニケーションカテゴリのリテールデザイン部門において、 最優秀賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」の受賞 となった。(※記載の会社名は各社の登録商標または商標)

未来コンビニの 「挑戦」

木頭地区(旧・木頭村)は徳島県と高知県の県境に位置し、 人口約1,000人で65歳以上が人口の過半数を占める ”限界集落” 。 この村は東西に大きく広がり、 村の端から端まで移動するには車で30分以上を要するほど広大な地域。 未来コンビニは、 この広大な村の最西端、 居住人口がたった約200人の「北川集落」と呼ばれる地域に建築された。 北川集落には商店が無く、 最寄りのスーパーまでも車で約1時間かかるなど、 生活必需品の買い物が非常に不便な環境下から、 いわゆる 「買い物難民」 が生まれていた。 未来コンビニは、 地元の人々の買い物環境改善を目指すと同時に、 この地で生まれ育った子供たちが多様な人生や感性に触れ合い未来への刺激を受けられる場となるように、 との想いから「未来コンビニ」と名付けられ、 2020年4月に誕生。 この僻地にコンビニという施設を新たに建築し、 通り道にすぎなかった場所を「訪れるべき場所」に生まれ変わらせ、 訪れる全ての人と地域とを繋ぎ、 木頭の未来を紡ぐ。 この未来コンビニの取り組みは、 過疎化・高齢化など地方が抱える課題に対する、 木頭プロジェクトとしての 大きな「挑戦」 の一つだった。 未来コンビニがこのような国際的に権威あるアワードを受賞したことについて、 ”世界一美しいコンビニ“のコンセプト、 そしてこの小さな村から始まった挑戦が、 社会的に評価をいただけたものと受け止め、 この上ない喜びと感謝の想いがあるとのこと。今後もKITO DESIGN HOLDINGS及び木頭プロジェクトは、 木頭地区において未来コンビニをはじめとした挑戦の歩みを止めず、 「全ての人が笑顔になれる、 奇跡の村」を目指し未来へと紡ぐ活動を続けてまいります、とコメント。

未来コンビニの 建築デザインについて

”世界一美しいコンビニ“ をコンセプトにデザインされた未来コンビニのある木頭地区は、 西日本第二位の標高を誇る剣山をはじめ標高1,000mを超える山々に囲まれ、 その自然の豊かさから別名「四国のチベット」とも呼ばれている。 また、 柚子の原生林が多数存在し、 日本で初めて柚子の接ぎ木に成功し柚子栽培を全国に広めた地でもあり、 特産品「木頭ゆず」の品質の高さは国内外で高く評価されている。 この木頭の “自然との共生” が、 未来コンビニのデザインテーマの一つ。デザインの軸となるY字のトラス構造は木頭の特産である柚子畑をイメージして設計され、 明るいイエローに塗り分けられた。 道路に面した壁一面をガラス張りにし、 店舗の外には、 経年変化を楽しめる国産の松の木の素材でできた水はけの良いウッドチップを敷き詰めることで、 雨の多い木頭の美しい自然との一体感を店内からも感じられる設計となっている。 また、 子供たちへの目線も設計に反映されている。 店内の陳列棚は、 子供たちや地元の高齢者の方が商品を手に取りやすいようにと一般のコンビニよりも低めに設計され、 これにより解放感のある空間を実現。店内奥は「木頭ゆず」のオリジナルメニューを体験できるカフェスペースや、 子どもたちが様々な絵本や美しい木頭の映像を楽しめるエリアとして設計され、 人々が気軽に集まれる交流の場として地元住民や観光客に愛されるとともに、 木頭のアイコン的存在となっている。

未来コンビニ

〒771-6512 徳島県那賀郡那賀町木頭北川いも志屋敷11-1 ・面積:駐車場含む延べ面積495平方メートル 、 建物床面積187.30平方メートル ・クリエイティブディレクション:鵜野澤啓祐 ・建築・インテリアデザイン:株式会社コクヨ、 GEN設計 ・施工:北岡組 ・未来コンビニ公式webサイト *photo: Nacasa & Partners

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