けが負った行方不明の女性 送り届ける タクシー運転手に感謝状 時津署

署長感謝状を手にする原さん(中央)=時津署(同署提供)

 行方不明になっていた長崎県西彼時津町の高齢女性を保護して人命救助に貢献したとして、時津署は17日、長崎市大浜町のタクシー運転手、原徳幸さん(61)に署長感謝状を贈呈した。
 同署や原さんによると、7月16日午前2時半ごろ、原さんは仕事帰りに通った自宅近くのトンネル内で70代女性が車道側を向いて縁石に座っているのを発見。車を止めて声を掛けると、転倒してけがを負い動けない状態だった。
 トンネル内は危険だと判断。車に乗せ、いったんトンネルを抜けたが、引き返して西彼時津町にある女性宅の家族の元へ送り届けた。その後病院で前頭部の骨のひびや右手骨折などが分かったという。女性は前日夜から行方が分からなくなり、家族が同署に届けていた。
 同署では「(原さんの対応がなかったら)命に関わる恐れもあった」として、黒岩茂久署長が感謝状を贈呈。原さんは「勤務外だったが、何げなく取った行動が人のお役に立ててうれしい」と喜びを語った。


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