【夏の甲子園】石見智翠館・宮本が決勝2ラン  県大会前の死球骨折から復活大仕事

勝ち越しホームランを放ちホームインする石見智翠館・宮本赳希

第103回全国高校野球選手権大会の第8日(21日)第1試合は石見智翠館(島根)が弘前学院聖愛(青森)を4―3と振り切った。2―2と同点で迎えた8回、一死二塁。県大会で出番のなかった5番・宮本(3年)が変化球にタイミングを崩されながらも打球を左翼席に運ぶ決勝の2ランを放った。宮本は「4番がバントしたんで絶対に二塁走者を返そうと思った。低めの変化球をしっかり振ることをふだんから意識していた。チームが苦しんでいる時に1本出てうれしい」と胸を張った。

末光監督から勝負強さを買われて3番を任されていたが、県大会を控えた6月末の試合で死球を受け、左腕を尺骨骨折。県大会ではベンチから声を出すしかなくなった。「自分がプレーできなくても勇気づける言葉があることがわかった。決勝でもみんなが自分を『甲子園に立たせてやるから』と言ってくれた」。甲子園に来てからもまだ痛みは残っていたが「(順延が)自分にとってはラッキーでした」と順調に回復。5番で復活し、4打数2安打2打点と大仕事をやってのけた。

末光監督も「宮本の打席での気持ちがベンチにも伝わった。本来は3番ですが、5番の方が打線に厚みができる。チャンスに強くて長打力がある。チームを勢いづける打席ができる。県大会が終わって打撃練習を再開しましたが、かばっている様子もないですね」と宮本を称えた。

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