日本料理 川長 〜 正統派の日本料理や郷土の味を残していきたい。ランチから儀式・宴会料理・仕出し・弁当まで幅広く対応

日本料理店と聞いたら、どんな印象をもちますか?

もしかしたら「ちょっと行きづらい」という気持ちもあるかもしれません。

しかし伝統的な日本料理を味わえ、さらに天丼や洋食など気軽に食べやすい料理もラインナップする店があります。

それが、福山市光南町にある「日本料理 川長 (かわちょう、以下 川長)」です。

ランチでは正統な日本料理が少しずつたくさん楽しめる松花堂(しょうかどう)が人気。

そのほか、人気の洋食であるコロッケやミンチカツが味わえるランチなどもあります。

さらに冠婚葬祭や宴会料理、コース料理、仕出し、弁当などにも対応。

日本料理 川長の特徴や魅力について、紹介していきましょう。

川長は福山市光南町にある日本料理店

川長は、福山市にある日本料理店です。

昭和36年(1961年)に創業した老舗で、光南町(こうなんちょう)にあります。

ちょうど福山市立城南中学校や三菱電機 福山製作所のそばです。
JR福山駅からは、約1.5キロメートル南東に位置します。

川長は、ランチから冠婚葬祭などの儀式料理、宴会料理、コース料理、仕出し、弁当まで幅広く対応。

地元の食材や旬のものなどをつかった、伝統的な日本料理が楽しめます。

白い外壁が印象的な川長の店舗

入口をくぐると、日本料理店らしい和のイメージの空間が広がります。

1階の奥にあるカウンター席。

カウンター席は5脚

1階には個室が3室ありました。

1階の個室は、いずれも4人がけテーブル席

2階には、宴会向けの部屋が数部屋。

仕切りを外すことで、最大で約40人まで対応可能な大部屋もあります。

川長のメニュー

価格は消費税込。2023年(令和5年)6月時点の情報

ランチメニュー

川長では、ランチもやっています。

松花堂(しょうかどう)」や「お刺身セット」「天ぷらセット」「うな重」のような日本料理店らしいものもあれば、「昭和レトロランチ」「スタミナ丼」など洋食系のメニューもあります。

なお「うな重」は、できあがりまで約30分かかります。

また夏季以外でうな重を食べるときは、2日前までに事前予約が必須ですので、ご注意ください。

福山の郷土料理「うずみ」もありました。

レギュラーメニューに加えて、時季限定のメニューも登場します。

取材時(2021年7月)の限定メニュー「夏うずみ」

また不定期に登場する「ライスカレー」も人気です。

不定期登場の「ライスカレー」

なお川長のごはんには、特製の「ちりめん山椒煮」がかかっています。

ちりめん山椒煮は持ち帰り販売(1,650円)もしており、大変好評とのこと。

さらに川長では弁当もあり、「幕の内弁当」と「松花堂パック」は事前に予算を伝えれば、予算に応じた内容の弁当をつくってくれます

幕の内弁当は1,080円から、松花堂弁当は2,160円からの対応です。

ほかにも、以下のような弁当もラインナップ。

写真は2021年3月以前のもののため、価格は消費税別

おもな弁当は、 以下のとおりです。

いずれの弁当も、仕出し対応しています。

福山城の築城者「水野勝成」と、コロナ禍に「勝つなり」の意味をかけた「かつ・なり弁当」

夜のメニューや宴会・冠婚葬祭での利用、仕出し料理などは、あらかじめ予算を伝え、予算に応じた内容の料理を提供しています。

お祝い時に利用した際の料理の一例 (過去の訪問時に撮影)

なお、金額は4,400円から。
料理の予約は、2日前までです。

おすすめのメニューを紹介

たくさんある川長の料理のなかから、おすすめのものを紹介しましょう。

「松花堂」はたくさんの料理を少しずつ食べられる人気メニュー

松花堂(3,300円)

川長を代表するメニューとして人気の「松花堂」。

川長が日本料理店として営業を開始してから、ずっとある看板メニューです。

松花堂は2,200円と3,300円のものがあり、それぞれ内容が異なります。

松花堂は、たくさんの料理が少量ずつ楽しめるのが魅力です。

ごはんの上には、川長自家製のちりめん山椒煮がかかっていました。

ちりめん山椒は、ほかのメニューのごはんにもかかっています。

松花堂の料理のなかでも、とくに好評なのが茶碗蒸し(ちゃわんむし)です。

茶碗蒸しは、2,200円と3,300円のどちらの松花堂にもついています。

茶碗蒸しは熱々。
食べると滑らかでとろけるような舌触りで、まるで熱いプリンのよう。

そして、ダシの豊かな味わいが口の中に心地よく広がります。

具材も豊富で、シイタケ、アナゴ、カマボコ、ギンナン、ミツバ、ユズ皮など。

なお、時季によって具材は変わります。

松花堂は、川長の日本料理が堪能できるおすすめのメニューといえるでしょう。

「昭和レトロランチ」は人気の洋食のコロッケとミンチカツが楽しめる

昭和レトロランチ」は、松花堂と並ぶ人気メニュー。

メインのおかずは、コロッケミンチカツという昭和の定番洋食です。

日本料理店で洋食が出るのは、意外ですよね。

実は、川長の創業当初は宿とお食事処でした。
そのときお食事処で、コロッケとミンチカツを出していたのです。

そして川長は日本料理店に変わり、一度はコロッケやミンチカツは消えましたが、時を経て「昭和レトロランチ」として復活しました。

コロッケはサイズが大きめです。

衣はとてもカリカリで、食べると軽快な音を立てました。
そして非常に香ばしいです。

中は、ジャガイモの潰れ具合が絶妙で、トロトロ感もありながらホクホク感もありました。
イモのやさしい甘さにミンチ肉の風味が加わり、とてもおいしいです。

ミンチカツも1つが大きめ。

コロッケ同様に衣は香ばしく、サクサクっとしています。

中は非常にジューシーで、肉汁がブワーと染み出してきました。

肉のうまみがタップリで、たまりません。

ソースがついていましたが、コロッケもミンチカツもソースをつけなくてもおいしいほどです。

ランチから儀式料理・宴会料理・仕出し・弁当まで対応する日本料理店・川長。

代表の山本雄一郎(やまもと ゆういちろう)さんへインタビューをしました。

川長の代表・山本 雄一郎さんへインタビュー

ランチから儀式料理・宴会料理・仕出し・弁当まで対応する日本料理店・川長(かわちょう)。

代表の山本雄一郎(やまもと ゆういちろう)さんに、店の歴史や料理のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。

インタビューは2021年8月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

始まりはお食事処・宿で、平成初期に日本料理店に

──開業の経緯や店の歴史について知りたい。

山本(敬称略)──

川長は、昭和36年(1961年)に創業しました。

当時、福山の市街地から郊外へ出てすぐの場所で、店のまわりは田園地帯。

ただ近くに学校があったり、三菱電機などがあったりしました。

そのため、学校関係者や企業関係者のかた向けにお食事処と宿として営業を始めたんです。

創業したのは私の父で、店名の由来は「川のように長く地域に愛される存在を目指す」という意味だったと聞いています。

──現在のような日本料理店になったのは、いつ?

山本──

平成になってすぐくらいだったと思います。

消防法が改正されたのを機に宿の営業を辞めました。
そしてお食事処から、本格的な日本料理の店に変えたんです。

そのころから、ランチと夜はコースメニュー、冠婚葬祭向けの儀式料理、宴会料理、仕出しといったものを提供しています。

なおランチは今ほどのラインナップはなく、松花堂をメインに提供していました。

「昭和レトロランチ」はお食事処時代の人気メニューを復刻

──今のようにランチが増えたのは?

山本──

当店は冠婚葬祭や宴会、夜などは企業の接待などのビジネス利用が多いです。

いっぽう昼のランチは年配のかたが多かったんですね。

若いかたも気軽にランチを食べてもらいたいという思いで、気軽に食べられるメニューを増やしました。

とくに「昭和レトロランチ」は好評でして、松花堂と並ぶ当店の看板ランチメニューになっています。

さきほど話したように、当店はお食事処として始まりました。
創業当時に出していて人気だったコロッケとミンチカツを、復刻してランチ定食にしたんです。

コロッケもミンチカツも昭和のころから家庭の食卓で人気のメニュー。
だから、多くのかたに注文していただいているのではないかと思います。

川長こだわりの「松花堂」

──もうひとつの看板ランチ、松花堂の特徴は?

山本──

松花堂の魅力は、やはりさまざまな料理が少しずつ楽しめるところではないでしょうか。

どの料理も川長らしさが詰まったこだわりのものばかりです。
松花堂はお得感があるメニューだと思いますね。

いっぽう「天婦羅(てんぷら)をたくさん食べたい」「刺身が大好き」というかたは、「天ぷらセット」「天丼」や「刺身セット」を注文していただけると、満足できると思います。

──ランチ以外の料理について教えてほしい。

山本──

夜のメニュー、冠婚葬祭や宴会、仕出しについては、あらかじめ予算を伝えていただき、予算に応じて料理をご用意いたします。

金額は、4,400円からです。

食べられないものがあるとか、逆に多めにしてほしいものがあるといった要望にもお応えしますので、遠慮なくお話しください。

また弁当のうち、幕の内弁当や松花堂パックも、予算に応じて料理いたします。
幕の内弁当は1,100円から、松花堂パックは2,200円から対応可能です。

今後の展望

──今後の展望があれば、聞きたい。

山本──

今の時代、昔ながらの正統派の日本料理を提供している店は少なくなったと感じています。

ですから当店はこれからも正統派の日本料理を出していき、日本料理の伝統を次世代へつないでいくことに貢献していきたいです。

そして地元の食材を大切にし、それを生かした日本料理にもこだわっていきたいと思います。

福山という土地柄はいろいろ何でもそろって便利なところですが、そのぶん目立つものがなく、コレだというポイントも少ないです。

だからこそ地元の人や、別の地域から福山へ来た人に、地元の食材の良さを感じてもらえる料理を提供していきたいと思います。

ランチから宴会・仕出し・弁当などで日本料理が楽しめる川長

私の家では、お祝いなどで川長を利用したことが何度かあります。

鯛のかぶと煮など、おいしい料理がたくさん楽しめました。

またランチは盛りだくさんの内容が楽しめる松花堂や、人気のコロッケ・ミンチカツが魅力的な昭和レトロランチなど、魅力的なものがラインナップしています。

「今日のお昼はちょっとだけいいものを」というときは、ぜひ川長のランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。

家族のお祝いや忘年会・新年会・歓送迎会、接待、お花見などでの利用もおすすめです。

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