除雪支援システム 損壊防止に有効 業者対象に走行試験 上越市が実証実験へ

 上越市が今冬、実証実験を予定している「除雪支援システム」の事業者向け説明と走行試験が20日、高田城址公園内の駐車場で行われた。市道除雪に従事する34社、67人が参加、システムの有用性を確かめた。

マンホールを模した障害物をよけるため、ブレードを上げる除雪ドーザー

 システムは、夏場に撮影した除雪路線の画像と地図を活用し、除雪車の位置情報を反映してマンホールや橋のジョイントの位置を警告、構造物の損壊防止などにつなげるもの。本年度予算に約420万円を計上しており、積雪期に1路線で実証実験を行うことにしている。

 背景には、昨冬の豪雪でも発生した、受け持ち工区以外への応援除雪などがある。参加した熟練運転手は「受け持ち以外の工区は道路状況に不案内で、構造物などを誤って損壊してしまう不安がある」と話す。市は積雪期前に構造物を入力し除雪中に警告することで、不安を取り除き、運転手の経験値や知識の差を埋める考え。

 同日は駐車場内にマンホールや橋のジョイント、消火栓などを模した標識を設け、除雪ドーザー運転前にシステム会社関係者がインプット。運転手らは搭載されたシステム画面と警告に従い、ブレードを上げたり速度を落としたりしていた。運転手の1人は「障害物から少々離れた所から警告してくれたり、バージョンアップが行われることが必要だ」と話した。

車内に取り付けられたモニターには、夏の道路画像と地図が表示される

 市雪対策室の桐木茂室長は「参加できなかった企業には映像を視聴してもらい、ICT(情報通信技術)機器導入促進の一助にしてもらいたい」と話していた。

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