高鍋農高生 商品開発挑む 人材育成へ同校など企画

高鍋町内の企業の助言を基にピザを作る生徒

 高鍋町の高鍋農業高(奥平博徳校長、341人)の生徒が、町内の企業や農家と、地元の農産物などを使った商品開発に挑んでいる。同校と町、高鍋商工会議所、町キャリア教育支援センターの4者による取り組みの一つで、地域を担う人材の育成が狙いだ。
 きっかけとなったのは人材育成やキャリア支援を目的に、同校や町などが2018年に結んだ包括連携協定。取り組みを具体化させるため、4者で本年度、「高鍋町魅力ある農業教育推進協議会」を設立。県の事業を利用し、開発を進めている。
 このうち、食品科学科の2、3年生13人はピザ作りに挑戦。同町北高鍋の「ベーカリーCafe風々々(ふふふ)」の石田卓也代表(33)が、原価計算からピザの生地作りまで幅広く助言している。
 生徒たちはこれまでに校内の実習棟で10回以上ピザを試作。今月17日には3年生4人が、石田代表の助言を基に2種類の生地を作り、生徒自身が作ったゴーダチーズなどをのせて焼き上げた。
 ピザの具材には、11月ごろから収穫される町産ズッキーニを使う。それまでに完成させ、同校の即売会で提供する予定だ。太田一希さん(17)=3年=は「生地はまだ改良が必要。高鍋を詰め込んだようなピザを作りたい」。生徒が持参したピザを試食した石田代表は「生徒たちの発想は豊か。これまでの私たちの常識を見直す機会にもなる」と話した。
 このほか、フードビジネス科の生徒は町産米粉を使った焼き菓子の開発、畜産科学科は同校で飼育する和牛の牛肉を使ったハンバーグの商品化を進める。同校の立野秀行農場長は「生徒は学習の一環でこれまでも商品開発してきたが、町内企業などと連携する機会は少なかった。取り組みを通じて地域愛をはぐくみ、考えの幅を広げてくれれば」と期待する。

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