密かに狙っていた鈴鹿戦。リアライズGT-Rの高星&佐々木と“進化したヨコハマタイヤ”の大きな自信【第3戦鈴鹿GT500予選】

 当初の予定から3カ月延期を経て開催となった2021年のスーパーGT第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』。GT500クラスの公式予選は、ダンロップタイヤ勢がフロントロウを独占する結果に終わったが、決勝に向けて密かに自信を見せているのが、ヨコハマタイヤを履くリアライズコーポレーション ADVAN GT-Rだ。

 今季は開幕戦からQ2に進めないレースが続いていたが、今回は朝の公式練習から上位に食い込む走りを披露。予選Q1では佐々木大樹が担当し3番手通過を果たすと、続くQ2でも高星明誠が好タイムをマークし、今季のチームベストリザルトである4番グリッドを手にした。

「鈴鹿が速いということは分かっていましたけど、ここまで上位に来れるとは思っていませんでした。その中で、Q1もQ2もクルマとタイヤのポテンシャルを出せたので、良かったなと思います」

 そう語るのは、Q2を担当した高星だ。前回のもてぎではWedsSport ADVAN GR Supraが優勝争いをするパフォーマンスをみせたが、それをみた彼らも“タイヤの進化”に関して手応えを掴むことができたという。

「ここ最近、19号車が結果を残しているので、僕たちが開発してきたタイヤは悪くないということはわかっていました。ただ、そのタイヤをGT-Rに合わせることができていない部分がありましたが、鈴鹿に来れば自分たちに合うだろうということもわかっていました。その中で今日の結果を残すことができたのは良かったです」

「鈴鹿で速さを引き出せている理由はわかっているので、これを他のサーキットでのセッティングにも反映できるようにやっていきたいなと思います」

 同じく、Q1を担当した佐々木も、鈴鹿に来れば結果を出せるという自信を持って、この予選日を臨むことができたと語った。

「鈴鹿はテストの時から調子が良くて、一番自信があるコースでした。正直雨が降らないでほしいなと思っていましたが、その願いが叶って良い予選になりました」

「タイヤに関しても、19号車が良かったもてぎで、僕たちはそれを使い切れない部分がありました。ただ、鈴鹿に来ると自分たちのGT-R(の特性)とか、クルマのバランスも含めてタイヤをうまく使いこなせています。タイヤも進化しているので、セッティングも含めて良い方向に進んでいます」

「今日はダンロップ勢が速かったですけど、手応えとしては今まで一番良いくらいの感触でした」

 さらに佐々木は、決勝のロングランについても自信があるという。

「前回の19号車を見てもわかるんですけど、最近は一発の速さだけではなくて、ロングランも非常に良いです。そういう方向に振っているタイヤでしっかりと予選上位に来れているので、決勝は雨が降らなければ面白い展開になるんじゃないかなと思っています」

「あとは昨年2回勝っている23号車と、今日は互角に争えていることを考えると、僕たちのポテンシャルは確実に上がっていると思います。明日はポイントのみならず表彰台を目指して、良いレースをしたいなと思います」

 高星も、決勝では今のポジションから順位を上げていきたいと意欲を見せていた。

「今回はQ2のタイヤが選ばれましたが、そっちの方がロングラン向きのタイヤなので、それも僕たちにとっても嬉しいことです」

「表彰台も狙える位置にいるので、そこは目指していきたいですし、レースとなるSC(セーフティカー)やFCY(フルコースイエロー)など色々なことが起きると思うので、それらもうまく活用して追い上げていきたいですね」

 24号車は、2016年の第3戦もてぎ(日程変更により最終戦の前日にシリーズ7戦目として開催)で優勝して以降、表彰台から遠ざかっている。昨年終盤から現場を離れていた近藤真彦監督も、前戦の第4戦もてぎから復帰し、チームの士気も上がっている。

 決勝の天候次第な部分はあるものの、この勢いで24号車が5年ぶりの表彰台・優勝を目指してどんな走りを見せるのか、目が離せない。

2021スーパーGT第3戦鈴鹿 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)

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