ルノー、新規F1チームへのパワーユニット供給を視野に交渉中

 ルノーは新規F1チームへのエンジン供給を視野に入れ、将来のエントラント候補とすでに話し合いの機会を持ったことを、アルピーヌ・レーシングのエグゼクティブディレクター、マルチン・ブコウスキーが明らかにした。

 2021年にマクラーレンがメルセデスのパワーユニット(PU/エンジン)にスイッチしたことで、ルノーのパワーユニットを使用しているのはアルピーヌF1チームのみになった。ルノーは今年からF1チームの名称をアルピーヌブランドに変更したが、パワーユニットにはルノーの名称を使用している。

「このスポーツに参戦することに関心を持っている人たちがいる」とブコウスキーは『The Race』に対して語った。

「(F1への関心を)公言し、この数年、それが報道された人々がいる。一方で、公表して広く知られることを望んでいない人々も存在する」

「F1は素晴らしいスポーツであるため、大勢の人々が関心を持っているのだ。コストキャップ導入とプライズマネー額の改善によって、F1が持続可能で収益性の高いビジネスになることが期待される」

「そのため多数の人々が興味を抱いている。我々はエントラント候補者と話をしている。ただ、現時点では新規参戦者に関して成果に結びついてはいない」

2021年F1第11戦ハンガリーGP 優勝したエステバン・オコン(アルピーヌ)とマルチン・ブコウスキー

 この数年のなかでF1参戦の可能性が伝えられたのは、パンテーラ・チーム・アジアF1とモナコF1レーシングで、ともに当初は2021年からのF1参戦を目指していたが、実現しなかった。

 F1のコンコルド協定において、新規F1チームはエントリーフィーとして2億ドル(約219億円)を支払う必要があると定められている。ただ、今年初め、F1のCEOステファノ・ドメニカリは、一定の条件下ではこれを免除する可能性があると発言した。

「もちろん(F1への新規参戦は)簡単なことではない」とブコウスキーは認めた。

「FIAが入札手続きを開始し、そのプロセスを経ていく必要があるのだ」

「資金調達ができて、新チーム設立に向けてクレバーで優れたアプローチをとる人物が良いプロジェクトを立ち上げるなら、我々としては、交渉を行う用意がある。エンジン、パワートレインの供給によりその事業をサポートすることを検討する」

「F1チームをゼロから立ち上げるのは簡単なことではない。F1において既存チームと戦うのも大変なことだが、何より最初から始めるには多大な努力を必要とする」

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