雲仙土砂災害 防災担当相が視察 激甚指定を要望

八万地獄の被災状況の視察に向かう棚橋防災担当相(中央)=雲仙市小浜町、雲仙温泉街

 大雨による長崎県雲仙市小浜町雲仙の土砂崩れ災害で21日、棚橋泰文防災担当相が小地獄、八万地獄両地区などの被災状況を視察した。意見交換した中村法道知事と金澤秀三郎市長は、激甚災害の早期指定や八万地獄の再整備を要望した。
 棚橋防災担当相は民家2棟が土砂に押し流され、安否不明の森保啓(やすひろ)さん(67)の捜索が続く小地獄地区や、裏手の山が崩れ土砂に覆われた八万地獄の様子を確認。住民約100人が避難するホテルも訪ねた。
 避難対象の古湯自治会の加藤宗俊会長(66)は「高齢者や体が弱い住民のために、例えば高齢者施設のショートステイを利用するような避難の在り方を検討いただきたい」と話した。
 視察後の意見交換で、中村知事と金澤市長は▽被災した農地、林地の復旧を早急に行うため激甚災害の早期指定▽被災した八万地獄の原型復旧に留まらない、価値を高める再整備-など計9項目を要望した。
 棚橋防災担当相は「被害に遭われている方の立場で、政府としてしっかり対応したい」と応じた。
 安否不明の森さんの捜索は21日も警察、消防、地元消防団など約180人態勢で続けられたが、森さんの発見には至らなかった。

© 株式会社長崎新聞社