衆院選・沖縄県内の構図は? 1区は現職三つどもえの公算

 10月21日の衆院議員の任期満了日まで残り2カ月となった。新型コロナウイルスの感染状況や自民党総裁選が絡み、日程は流動的だが、今年最大の政治決戦である衆院選は刻々と近づき、決戦ムードは高まる。来年の県知事選の前哨戦にも位置付けられ、玉城デニー知事を支え、名護市辺野古の新基地建設反対でまとまる「オール沖縄」陣営と、政権与党の自民・公明陣営が激しい選挙戦に備えて着々と準備を進める。菅政権、玉城県政のコロナ対策の評価や名護市辺野古の新基地建設の賛否などが大きな争点となりそうだ。(大嶺雅俊)

 有権者の95%以上を那覇市が占める1区は、「オール沖縄」勢力が擁立する赤嶺政賢氏(73)=共産=と政権与党の国場幸之助氏(48)=自民、保守系無所属の下地幹郎氏(60)の現職3人が出馬の意向を示している。下地氏が目指す自民党復党の行方次第で選挙構図は変わるものの、復党議論に進展はなく、前回、前々回と同様、保守分裂の三つどもえの観測が強くなっている。
 前回、前々回ともに赤嶺氏が6万票前後を獲得し、5万4千票前後の国場氏、約3万4千票の下地氏を上回り、選挙区を制した。国場氏、下地氏は比例復活した。
 保守分裂による保守票の分散が見込まれる一方で、1区の前哨戦とされた那覇市議選では共産の現職2氏が落選するなど「オール沖縄」の勢いに陰りが見える結果も出ており、情勢は混とんとしている。下地氏復党を求める一部経済界の動向も絡み、衆院選でも競り合う展開が予想される。
 

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