【夏の甲子園】長崎商 2戦連続2ケタ安打で69年ぶり16強 西口監督「対策うまくいった」

7回に2本目のタイムリーを放つ長崎商・鬼塚

もう「貧打」とは言わせない。長崎商が15安打6得点の猛攻で専大松戸を下し、4強入りした1952年夏以来69年ぶりの3回戦進出を果たした。

今大会初登板となった専大松戸の右腕・岡本を初回から攻め、4番・宮城(3年)の右犠飛、5番・城戸(3年)の中前適時打で2点を先制した。同点の5回には二死から再び城戸、松井(3年)、鬼塚(3年)と3者連続適時打が飛び出し、勝ち越しに成功。この回途中まで温存されていた相手エース・深沢を引っ張り出し、その後の7回も鬼塚が自身2打点目となるダメ押しの適時打を放つなど、攻撃の手を緩めなかった。

実は相手2投手の対策も抜かりなく万全だった。試合後の西口博之監督は「岡本君が先発じゃないかと2、3日ぐらい前から計画を立てていた。縦割りの変化球やストレートに威力があるので、対策がうまくいったと思う。深沢君は左打者に対してインコースにストレートが140キロ台のボールが来ているので、それは当然打ちづらい。真ん中や外、ストライクを取りに来る球種に絞り、今日はストレートを張って打たせた」と明かした。

今夏の長崎大会でのチーム打率は2割9分3厘と49代表校中、5番目に低い数字だった。しかし指揮官は「まだまだ伸びしろはある」と力説。その言葉通り、初戦(16日)では熊本工にいきなり13安打8得点と打線爆発で大勝していた。大会期間中、緊急事態宣言下と雨天続きで当初は室内練習場が見つからず苦慮していたが、親交のある明石商の狭間善徳監督から施設提供され〝救いの手〟を差し伸べられたこともプラスに働いた。強豪校の恵まれた設備を利用した「集中練習」で「しっかり引きつけて打つ。そういう打撃の練習時間が多くできた」という。

3回戦では神戸国際大付(兵庫)とベスト8入りをかけ、25日の第3試合で対戦する。

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