第96回謙信公祭(謙信公祭協賛会主催)が22日、上越市大豆の春日山神社をメーン会場に開かれた。昨年に続きコロナ禍により規模縮小となったが、上杉謙信公の遺徳をしのび、「義の心」を発信した。
出陣行列や川中島合戦の再現など、多くの人出でにぎわう行事を中止し、同神社でのステージイベントを中心に実施した。
協賛会の山田知治会長は開会のあいさつで、大正15年の第1回以来、一度の中止もなく謙信公祭が継続してきた意義を強調。「伝統を次の世代に継承していく。過去につないでこられた皆さんに思いをはせてほしい」と語った。
特設ステージでは今年結成10周年を迎えた越後上越上杉おもてなし武将隊の演武や一義会による武禘式の他、さまざまな市民団体が出演。武将隊は殺陣集団越後軒猿衆、一義会、謙信流陣太鼓、詩吟の長谷部紫帛さん(紫洲流日本明吟会)と共演する特別演武を初披露。川中島合戦をイメージし勇壮に演じた。
境内には100人を超える市民やファンが集い、ステージを鑑賞。10年ぶりに参加したという下間順子さん(35、上越市)は「久しぶりに見ることができ楽しかった。来年こそは、広場に人がたくさん集まった祭りを見たい」と話していた。
ライトアップや花火打ち上げも 2年ぶりに前夜祭
前日21日には、昨年行われなかった前夜祭が行われた。予定されていた地元小学生によるちょうちん行列は中止となったが、春日山神社のライトアップと花火の打ち上げが行われた。境内や埋蔵文化財センター駐車場には見物のため多くの市民が訪れ、中にはちょうちん行列で使うちょうちんを手にした子どもの姿も。行列で口上を述べる役だった須田巧真君(春日小4年)は「口上ができなかったのは残念で悔しかったけど、花火が見られて良かった」と話した。