「雨上がり」解散で吉本芸人と御用マスコミの宮迫博之バッシングが理不尽すぎる! 解散に追い込んだのは吉本上層部なのに

吉本を牛耳る松本人志が『ワイドナショー』でトドメ!?

これはもう、ほとんどいじめだろう。宮迫博之と蛍原徹のお笑いコンビ「雨上がり決死隊」が吉本興業のYouTubeチャンネルとABEMAで解散を報告する動画を配信して以降、ネットや芸能マスコミだけでなく、千原ジュニア、ナイナイ岡村隆史ら、吉本芸人から宮迫に非難が集中。宮迫は自分のYouTubeチャンネルで改めて解散に謝罪をし、当面の間、動画配信を休止することを宣言せざるを得ない状況に追い込まれた。

しかも、きょうの『ワイドナショー』では、吉本を牛耳る松本人志がトドメのように「宮迫は優先順位が違ってきた、ホトちゃんのほうを見ていない」「雨上がりというコンビはなくなりましたけど、ホトちゃんというピン芸人が生まれた」と発言。蛍原を持ち上げることで、宮迫を切り捨てた。

しかし、いったい今回、宮迫が何をしたというのか。言っておくが、例の闇営業問題から2年も経っているし、別に新たなスキャンダルを引き起こしたわけでもない。元相方の蛍原と本音と笑いを織り交ぜながら、解散を報告しただけだ。

今回、宮迫を批判している芸人が口を揃えているのが、解散報告動画での蛍原の言動から怒りが伝わってきた、この間の宮迫の身勝手さを再認識した、解散は全て宮迫に責任なのに、結局、きちんと謝らなかった、などというものだが、今頃になって何を言っているのか。

また、御用マスコミも、配信動画で蛍原が「YouTubeを始めた頃から、すれ違い始めた」と言っていたことから、「YouTubeが成功して天狗になって、蛍原をないがしろにした」などと書き立てているが、宮迫は吉本と決裂してテレビに出れなくなったから、YouTubeに活路を見出さざるをなくなっただけだ。

とにかく何から何まで意味不明な今回の宮迫叩きを見ていると、背景にもっと大きな力が働いているのではないかと勘ぐりたくなる。

周知のように、宮迫に対しては、今年2月、吉本興業のドン・大崎洋会長が「フライデー」の直撃取材に答え、「いや、もう(吉本に)戻らんでええと思うで。いちいちユーチューブでネタにすんなって話や。辞めてまで吉本のことネタにすんなよって」と怒りの発言。御用マスコミはこれに呼応するように一斉に宮迫叩きを展開した。

結局、これが号砲になって、蛍原が解散を決意。芸人と御用マスコミが今回の発表にあわせて宮迫バッシングを再燃させたということではないか。

「吉本芸人たちも、あの大崎会長の発言で、上層部が宮迫に本気で怒っていることを認識した。それで、忠誠を誓うために、今回改めて一斉に宮迫叩きに走ったという部分はあるでしょう」(スポーツ紙記者)

しかし、吉本の利益共同体によるこの理不尽な「宮迫叩き」「宮迫干し上げ」は今に始まったことではない。闇営業問題で、宮迫が吉本に反旗を翻した時点から始まっていた。

●闇営業問題では吉本興業上層部の責任はなかったことに、宮迫一人がスケープゴートに

ほとんどの人はもう忘れているかもしれないが、闇営業問題発覚後、宮迫らが勝手に開いた会見で、この問題は宮迫ら芸人だけの問題でなく、吉本興業という会社じたいの隠蔽への関与が明らかになり、一時は、吉本興業の体質への批判が高まっていた。

まず、最初の隠蔽は、吉本興業が闇営業問題の報道直後に「調査の結果、金銭授受はない」と嘘の発表をし、宮迫らを厳重注意処分で済ませたことだ。吉本サイドや御用マスコミはこれを「ヒアリングしたのに、宮迫らが嘘をついたため」「吉本興業に責任はない」などと話をすり替えているが、いくら芸人たちが口裏を合わせても、11人もいるのだから、吉本が徹底調査をしていれば、どこかで証言に綻びや矛盾が出てきて嘘が判明したはずだ。にもかかわらず、吉本がすぐに「調査の結果、金銭授受はない」としたのは、多大な損害が生じる番組降板や謹慎を避けるために、嘘を知りながら、それに乗っかったとしか思えない。

そして、宮迫とロンドンブーツ1号2号の亮が会見で明らかにしたように、彼らがすぐに「金銭を受け取った」と訂正して報告した後も、吉本興業は2週間以上にわたって「今さひっくり返せない」「静観です」と、事実を隠蔽し、虚偽を強要してきた。

しかも、吉本興業が「嘘と事実隠蔽」を行った背景には、宮迫や亮らが参加した反社グループに、吉本が会社として関与していたという問題があった。

これも、宮迫らが会見で明かしたのだが、宮迫らは入江から反社会勢力のフロント企業のパーティ参加を持ちかけられた際、「吉本のイベントのスポンサーだから大丈夫」と言われていた。その結果、吉本側も関係したイベントのスポンサーのひとつが特殊詐欺グループのフロント企業だったことを認めざるを得なくなった。

周知のように、吉本興業はただの芸人にすぎない宮迫らと違って、安倍政権や維新と癒着し、公的な仕事を数多く受注してきた。法務省のPR、大阪サミットの交通規制PR、大阪万博誘致アンバサダー、さらにNTTと共同で行う教育事業には官民ファンド「クールジャパン機構」が最大100億円の出資を受けていた。そんな企業が反社会勢力の絡む仕事を引き受け、芸人の隠蔽を後押ししていたということで、世間の非難は会社に移り、一時は、同社の大崎洋会長と岡本昭彦社長の辞任が必至とみられていた。

ところが、こうした空気は、宮迫らの会見直後だけ。ほどなく、吉本興業の御用マスコミであるテレビやスポーツ紙が、吉本上層部への批判封じと、宮迫をスケープゴートにする動きを見せ始める。スポーツ紙などには、吉本のリークとしか思えないような宮迫バッシング記事が載りはじめ、それと軌を一にするように、ワイドショーでは、コメンテーターたちが一斉に「宮迫らが嘘をついたのが問題の始まり」「問題を吐き違えてはいけない」などと宮迫攻撃を始めた。

しかも、この流れを作り出し、マスコミ支配をさらに強固にしたのが松本人志だった。当時の「週刊文春」(7月25日発売号)が「松本人志が牛耳る吉本興業の闇」と題する特集で指摘していたように、大崎会長の強権支配を支えてきたのが松本であり、大崎会長と吉本はすべて松本の言いなりという状況ができているのは有名な話。

その松本が自分の言いなりになる体制を守るために「大崎会長が辞めたら僕も辞める」と宣言。そして、加藤浩次やロンブーに対しては懐柔姿勢を見せる一方で、宮迫についてはことあるごとに露骨に批判を口にするようになった。

その結果、吉本は大崎会長も岡本社長も責任を取らず、幹部の椅子に居座ることになった。そして、誰も吉本のことを批判しなくなったどころか、いつのまにか“宮迫のついた嘘の被害者”のようになってしまったのだ。

●宮迫がYouTube開始直後も吉本芸人がバッシング! テレビから干すだけでは飽き足らないのか

しかも、こうした流れは、宮迫が吉本と決裂し、テレビに出られなくなったあとも続いた。
昨年2月、宮迫がYouTubeを始めると、ワイドショーやスポーツ紙までが一斉にこんな調子で宮迫を叩きまくったのだ。

「きちんと手順を踏んだロンブー亮の誠実な姿勢とは対照的」「吉本興業との話し合いも解決していないのに身勝手」「迷惑をかけたテレビ局をないがしろにしてYou Tubeで復帰は筋違い」「ロンブー亮の復帰前日はおかしい」

タレントや芸人仲間たちからも一斉に宮迫批判が飛び出した。「(宮迫からYouTubeの)報告はあったが相談ではなかった」と責任逃れをしつつ「さんまさんのところにお世話になっているわけやし、オレが何を言う立場でもない」と突き放した松本人志を筆頭に、「順番として」「会社とちゃんと話をしてまとまってから」と説教した 岡村隆史、さらには、一時、吉本に反旗を翻していたはずの加藤浩次までがロンブー亮の復帰トークライブの前に宮迫がYouTubeデビューしたことを問題視し「ちょっとこれがあるのに宮迫さんなんで?って……」などと苦言を呈していた。

そして、今年2月には、前述した大崎会長の「戻ってこんでええ」発言、さらには、今回の雨上がり決死隊解散報告動画における、理不尽としか言いようのないバッシング──。

ようするに、宮迫の会見で、その体質を暴露され、辞任寸前に追い込まれた吉本上層部や御用マスコミにとって、宮迫はテレビから干す程度では許せない存在だということだろう。だからこそ、今回の解散を機に、吉本ともテレビとも関係のなくなった宮迫を御用マスコミ、芸人が総動員で、YouTuberとしての活動すら難しい状況に追い詰めたのである。

しかし、悲しいのはこうした御用マスコミにすっかり乗せられて、ネットやお笑いファンまでが、吉本という会社の責任をすっかり忘れて宮迫叩きに走っていることだろう。ネットでは、「雨上がりを解散させたくせになんの反省もない」「すべての責任はお前にある」「宮迫の嘘がすべての始まり」「ホトちゃんを捨ててYouTubeをとった報い」いう罵倒が飛び交っている。

しかし、改めて言っておくが、雨上がり決死隊を解散に追い込んだのは、宮迫ではない。宮迫をスケープゴートに仕立てて、パージした吉本興業という会社ではないだろうか。
(伊勢崎馨)

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