【訃報】人気兄弟デュオ、エヴァリー・ブラザーズのドン・エヴァリーが逝去。その功績を辿る

Photo: Gijsbert Hanekroot/Redferns

兄弟デュオ、エヴァリー・ブラザーズ(Everly Brothers)で亡き弟のフィルと共に21枚のスタジオ・アルバムをリリースしたドン・エヴァリー(Don Everly)が2021年8月21日に84歳で亡くなった。エヴァリー・ブラザーズのインスタグラムには、次のようなメッセージが掲載されている。

「本日、アイザック・ドナルド・エヴァリーが亡くなったことをお伝えすることを残念に思います。彼は妻のアデラ、母のマーガレット、子どもたちのベニシア、ステイシー、エリン&エダン、孫たちのアラベラ、イーサン、スターリング、エレス、リリー&エスパーを残しました。RIP Don 2/1/37-8/21/21 #doneverly #everlybrothers」

ナッシュビルのスター、チャールズ・エステンはこの投稿に「安らかに、ドン・エヴァリー。そして、天使の飛行があなたとあなたの声を導いてくれますように」とコメント。また、セッション・ミュージシャンのブライアン・レイは、「このニュースを聞いて、とても悲しいです。彼らは僕の音楽的な生い立ちにとても大きな影響を与えてくれた。RIP Don Everly」と投稿している。

ドン・エヴァリーの家族の代理人は、Los Angeles Times紙に次のようにコメントを寄せている。

「ドンは自分の心で感じたことを大切にして生きていました。彼はソウルメイトである妻のアデラと一緒に、(フィルが亡くなって)エヴァリー・ブラザーとなってからも音楽を分かち合いながら、自分の夢を生きることができたことに感謝しています」

その生涯

ドン・エヴァリーは1937年2月1日にケンタッキー州ミューレンバーグ郡のブラウニーで生まれ、弟のフィルは1939年1月19日にイリノイ州シカゴで生まれました。2人は幼少期のほとんどをアイオワ州シェナンドーで過ごし、アイオワ州ウォータールーのロングフェロー小学校に1年間通った後、1944年にシェナンドーに戻り、そこで高校の初期まで過ごした。

少年たちの父親であるアイク・エヴァリーは、1940年代半ばにシェナンドーのKMAとKFNFで番組を持っていたが、最初は妻と、その後は息子たちと一緒に出演していた。兄弟はラジオで「Little Donnie and Baby Boy Phil」として歌い、一家は「エヴァリー・ファミリー/Everly Family」として出演していた。

1955年、一家はテネシー州マディソンに移り、兄弟はテネシー州ナッシュビルに引っ越した。ドンは1955年に高校を卒業し、フィルはナッシュビルのピーボディ・デモンストレーション・スクールに通い、1957年に卒業。これで二人ともレコーディングに専念できるようになった。

彼らは1956年に自分たちの曲を書いて録音し始め、1957年にはフェリスとブーデロウ・ブライアント夫妻が書いた「Bye Bye Love」で最初のヒット曲を出した。この曲は1957年の春にNo.1を獲得し、1958年には「Wake Up Little Susie」「All I Have to Do Is Dream」「Problems」など、ブライアント夫妻による楽曲が次々にヒットを記録した。

1960年にはワーナー・ブラザース・レコードと契約し、兄弟が作詞作曲した「Cathy’s Clown」を録音し、彼らの最大のヒットシングルとなった。1961年、兄弟はアメリカ海兵隊の予備役に入隊したために彼らの露出は少なくなったが、他の楽曲でもヒットが続き「That’s Old Fashioned (That’s the Way Love Should Be)」が彼らの最後のトップ10ヒットとなった。

ドンとフィルは、1973年にエヴァリー・ブラザーズを解散し、ソロ活動を開始した。その間、フィルはウォーレン・ジヴォンのデビュー・アルバムでバッキング・ボーカルを務め、クリント・イーストウッド主演映画『ダーティファイター』や『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』のサントラの録音にも参加。ドンはエミルー・ハリスと「Blue Kentucky Girl」をレコーディングした。

1983年、エヴァリー・ブラザーズはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートで再結成を行った。翌年には、デイヴ・エドモンズのプロデュースによるアルバム『EB 84』をリリース。ポール・マッカートニーがアルバムからのファースト・シングル「On The Wings of a Nightingale」を作曲している。

エヴァリー・ブラザーズは、後続の世代に大きな影響を与え、ビートルズ、ビーチボーイズ、ビージーズ、サイモン&ガーファンクルなど、1960年代のトップアーティストの多くは、エヴァリー・ブラザーズのハーモニーとアコースティックギターの演奏に大きな影響を受けている。

後年、エヴァリー・ブラザーズはサイモン&ガーファンクルのツアーに参加したが、エヴァリー・ブラザーズはオープニング・アクトとして参加したのではなく、敬意をこめてサイモン&ガーファンクルのセットの途中に登場しているほどだ。エヴァリー・ブラザーズは、ポール・サイモンが1986年に発表した影響力のあるアルバム『Graceland』でバッキング・ボーカルを担当している。

2015年、ローリング・ストーン誌は「史上最も偉大な20のデュオ」の中で、エヴァリー・ブラザーズを第1位に選出。彼らは1986年にロックンロールの殿堂入りを果たし、2001年にはカントリーミュージックの殿堂入りも果たしている。

ドンは、1957年の大ヒット曲「Wake Up Little Susie」の特徴的なリズムギターのイントロで、2019年に音楽家の殿堂博物館に殿堂入りし、同組織初のアイコニック・リフ賞を受賞している。

Written By Tim Peacock

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