菅首相 お膝元の横浜市長選で惨敗…周囲が心配する「パラリンピック後」の“暴走モード”

コロナ対応で求心力が一気に失った菅首相

横浜市長選で、菅義偉首相(72)が支援した小此木八郎氏(56)はあえなく落選。菅首相にとっては今後の政権運営、総裁選や衆院選にも大きな影を落とす結果となった。

横浜出身の小此木氏は菅政権の閣僚を辞職し、市長選にくら替え出馬した。IR誘致が争点となった中、反対を表明していたが、IRは菅首相の肝いり案件で推し進められてきた背景があり、「当選後にIR反対を翻意するのではないか」という疑心暗鬼の声を最後まで払拭できなかった。

さらにIR推進を表明して立候補した現職の林文子氏との間で、自民党内が分裂、公明党も自主投票となるなど、まとまりきらなかった。

選挙中、小此木陣営はSNSで局面打開を図ろうとするも、ユーチューブの登録者数は投票日時点でわずか115人。小泉進次郎環境相、河野太郎行革相とともに災害対策を訴えるコラボ動画の再生回数も3000回に届かず、人気のなさを露呈した。

「新型コロナの感染者が最多を更新し続ける中、菅政権への不満はたまっていき、山中氏へどんどん票が流れていった。林氏の立候補を食い止めていれば、保守分裂が避けられた。林氏をコントロールできなかった菅首相の責任は大きい」(自民党関係者)

現状では、来月の総裁選を経て衆院選へ向かう流れだが〝菅おろし〟の声が吹き荒れるのは必至だ。

「二階俊博幹事長や安倍晋三前首相は菅首相の続投を表明しているが、高市早苗元総務相や下村博文政調会長が総裁選へ出馬に意欲を出している背後に、その安倍氏の影がちらつく。衆院選やその後を見据えて、党内政局になっています」(同)

打開策を探る菅首相だが、21日に病院を受診したことで健康不安説もささやかれ、退陣論もくすぶる。「自暴自棄になった菅首相が総裁選を吹っ飛ばして、パラリンピック後に解散総選挙に出る恐れもある。そんなことをしたらおしまいです」(党中堅)

市長選の敗北を引き金に菅首相が〝暴走モード〟に突入する可能性もありそうだ。

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