史上初の“女子の甲子園”見どころは? 大注目はジャイアンツカップ胴上げ投手

神戸弘陵・島野愛友利【写真:喜岡桜】

神戸弘陵は投打の大黒柱・島野愛友利の活躍に注目

女子高校野球の日本一を決める第25回全国高校女子硬式選手権。史上初めて、阪神甲子園球場を舞台とする決勝戦は、23日午後5時から行われる。対戦するのは、5年ぶり2度目の優勝を目指す神戸弘陵(兵庫)と初の決勝進出を果たした高知中央だ。日本一の栄冠はどちらの手に渡るのか。見所を紹介する。

2016年以来の頂点を狙う神戸弘陵の注目は、投打の大黒柱・島野愛友利投手(3年)だ。中学時代は大淀ボーイズ(大阪)に所属し、全日本中学野球選手権「ジャイアンツカップ」で史上初となる女子の胴上げ投手、中学日本一という栄光を味わった。最速123キロの直球と切れ味鋭いカーブ、チェンジアップを武器にする。8月に愛媛県松山市で行われた全日本女子硬式選手権では、2回戦で社会人クラブチームの東海NEXUSを相手に4回途中からリリーフ。2回2/3を投げ被安打1本、4奪三振で無失点だった。チームは負けてしまったが、投球内容は大人にも引けを取らなかった。

リリーフに豪腕・島野が控える中、先発マウンドに上がるのは左腕の日高結衣投手(2年)が予想される。先の全日本女子硬式選手権では全試合に先発。強豪クラブ・ハナマウイと当たった初戦では、直球、スライダーをコースに投げわける制球力を武器に完封勝利を挙げた。「先輩と一緒に日本一を取りたい」という言葉通り、好投で島野に襷をつなぎたいところだ。

高知中央・松本里乃【写真:川村虎大】

高知中央はチーム力で勝負 有名“ティックトッカー”がリリーフエース

対する高知中央は、エース・和田千波留投手(2年)を中心とした総合力で挑む。1日に行われた秀岳館(熊本)との準決勝では、7回1失点完投しチームを甲子園での決勝に導いた。「そのままマウンドに上がると緊張してしまう気がするので、甲子園の景色を想像して練習していました」と、イメージトレーニング万全で決戦に挑む。さらに後ろには、松本里乃投手(3年)が控える。動画投稿サイト「TikTok」で「野球Girl」というアカウント名で人気を博す一方、“本職”でも120キロに迫る直球を投げる本格派右腕。投球フォームを改造し、調子も上向きだ。

選手は「西内野球で日本一」と口を揃える。まだ創部3年目ながら、西内友広監督が自ら全国を周り選手を勧誘。さらに厳しい練習で力をつけてきた。昨年の大会が初出場、2回目の今年は初戦以外全て1点差で勝利と、接戦をモノにする能力に長けている。“島野打ち”で日本一を果たせるか。

史上初の甲子園開催で、決勝戦にはこれまでにない注目が集まる。女子高校野球の歴史に深く刻まれる大会になることは間違いないだろう。男子と同じ舞台で日本一の栄冠を手にするのは、エース・島野を擁する神戸弘陵か。それとも、創部3年目の高知中央か。意地をかけた好プレーに期待したい。

【動画】大注目! 神戸弘陵のエース・島野愛友利のダイナミックな投球映像

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(Full-Count編集部)

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