【新型コロナ】東京都と国、共同で都内医療機関に患者受け入れ要請

 国と東京都は23日、改正感染症法に基づき、都内の医療機関に対し新型コロナ患者の受け入れを要請する方針を明らかにした。この日午後に小池百合子東京都知事と田村憲久厚生労働大臣が会談し、方針が決まった。

改正感染症法に基づく要請 国からの要請は初

 国と都が共同で医療機関に対応を要請することが明らかになった。23日午後に小池都知事と田村厚労相が急遽会談し、会談後、今年改正された感染症法に基づいて、都内の医療機関に新型コロナ患者の受け入れを要請すると発表した。感染症法には「正当な事由がなければ」要請を拒むことはできないとされており、応じない場合はより強く対応を求める「勧告」を出され、それでも応じなければ医療機関名が公表される。自治体に加えて国が要請を行うのは初めてとなる。

 会談後、小池都知事は「通常医療の制限も視野に入れた上で、都内の全病院、診療所、医療従事者に対し協力を要請する」と発言。また田村厚労相も「全国的に中等症IIの方が入院することが困難になっている。さらなるお力添えをいただきたい」と呼びかけた。

 ただ、法律に定めている「拒否できる正当な理由」は「病床を用意できない」「対応する医療従事者を用意できない」という理由も認められるので、一定の強制力があるとはいえどこまで実効性が伴うのかは不透明な部分もある。先に法律に基づいて要請を出している大阪府では、同様の理由で要請に応える医療機関がなく、重症者向け病床のひっ迫が改善されていない。吉村洋文大阪府知事はこの点を以前から指摘しており、国に対しより強力な措置が可能になるような法整備を求めている。

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